耳に合わないのに返品できない…補聴器通販トラブルが急増中!プロが教える“正しい買い方”

0

2024年11月07日 11:01  web女性自身

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

web女性自身

写真

WHOの調査によると、65歳以上の約3人に1人が難聴を患っている。75〜79歳になると、男性の71.4%、女性の67.3%と、その割合は半数を上回る。



耳の聴こえが悪くなったとき、購入を検討するのが補聴器だ。



しかし、補聴器の購入を巡ってはトラブルが後を絶たない。



《補聴器を購入後、耳鼻咽喉科で聴力を測定してもらったら、補聴器は必要ないと言われた》
《母親が2年おきに約50万円の補聴器を購入させられているが、音がうるさくて装着していない》



これらは、国民生活センターに寄せられた補聴器トラブルの相談事例だ。



なかには《訪問販売で勝手に家に上がり込まれ、80万円近くの補聴器を買わされた》というものまである。



相談件数の増加を懸念した国民生活センターは、2014年と2021年の2度にわたり、補聴器購入時の注意喚起を行っている。



なぜ補聴器トラブルが増加しているのか? 一般社団法人日本補聴器販売店協会の高坂雅康事務局長に話を聞いた。



「補聴器トラブルが増加している背景にはさまざまな理由があります。



一つは超高齢社会で、補聴器を購入する人が増えている点。



もう一つは補聴器の正しい購入方法がわかりにくい点です。



ご自身にあった補聴器を見つけるためには、まず耳鼻咽喉科(補聴器相談医)を受診します。そこで難聴の診断や補聴器が有効かどうかを確認してください。



治療で改善する場合など、補聴器が不要なケースもあります。



耳鼻咽喉科で受診をしないで、通信販売や店頭で勧められたまま購入をしてしまうため、トラブルにつながってしまうのです」(高坂さん、以下同)





■通販でのトラブル急増理由は「恥ずかしい」…



補聴器の主な購入先は、店頭販売、通信販売、訪問販売があげられる。



そのなかでも特にトラブルが起きやすいのが、通信販売と訪問販売だ。とくに通信販売でのトラブル件数が急増している。



「耳の聴こえが悪くなったことを、周囲に知られたくないと通信販売やネット販売を利用する人は多いです。価格もお手ごろなものが多い。



ただ、通信販売などで購入した場合、使用者にあわせた調整(フィッティング)ができません。



補聴器は装着すればすぐに聞こえるわけではなく、使用者の聴こえ方や環境にあわせて音を調整したり、聴き分けるトレーニング、アフターケアが必要なのです。



事前のフィッティング、アフターケアが一切ない状況で補聴器を使えば、当然『耳にあわない』『痛い』『思っていたのと違う』『だまされた』となってしまいます」



一方で、補聴器の販売システムそのものがトラブルの原因になっているケースもある。



補聴器は、医療機器の販売の届け出さえ提出すれば、資格がなくても販売することが可能で規制もない。極端にいえば、補聴器や耳の仕組みについて知識がなくても、補聴器を売ることができる。



そのため、さまざまな業者が参入しやすく、悪意を持った業者が参入することも容易なのだ。



また、通信販売や店舗販売はクーリング・オフ制度が適用されないことも要注意だ。



では、補聴器トラブルに巻き込まれないためにはどうすればいいのか? 購入時の重要なポイントを紹介するので参考にしてほしい。



【1】耳鼻咽喉科(補聴器相談医)を受診する
【2】「認定補聴器技能者」がいる補聴器販売店を探す(紹介してもらう)
【3】家族や親しい人と一緒に補聴器販売店に行く
【4】聞こえにくい状況を細かく伝える
【5】予算や価格の相談をする



「耳鼻咽喉科で難聴だと診断されたら、認定補聴器技能者がいる補聴器販売店を病院で紹介してもらうか、ネットで検索してください。



認定補聴器技能者は、公益財団法人テクノエイド協会が認定している資格保有者です。適切な調整とケア、コンサルティングができる補聴器のプロです。



認定補聴器技能者がいる販売店に行き、耳鼻咽喉科医師(補聴器相談医)と連携をとりながら、補聴器を調整をすることが大切です」





■店頭にて購入の際は家族などと一緒に行く



ネットで「認定補聴器技能者検索システム」と検索すれば、認定補聴器技能者のいる店舗は簡単に見つけられる。



耳鼻咽喉科と認定補聴器技能者のいる販売店に行くだけで、補聴器トラブルに巻き込まれる可能性は格段に低くなる。



販売店に行く際は、家族や親しい人と一緒に行くことも欠かせない。第三者が一緒に行けば、客観的に判断できるため「そんな話は聞いていない」「強引に買わされた」といったコミュニケーション上のトラブルも防げる。



また、補聴器を装着したときの聴こえ具合を、日常的に一緒にいる人の目線で確認することも可能だ。



補聴器を早期に使用することで、聴力の維持だけでなく、認知症予防や健康寿命の延長につながるというデータもある。



聴こえに異変を感じたら、まずは耳鼻咽喉科を受診してほしい。



日本の難聴者数は1千430万人と推定されている。最近ちょっと聴こえにくい……と補聴器の購入を検討している人は、トラブルに巻き込まれないよう要注意だ!

動画・画像が表示されない場合はこちら

動画・画像が表示されない場合はこちら



    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定