陸上男子100メートルで世界選手権2大会連続入賞のサニブラウン・ハキーム(25=東レ)が7日、渋谷区立原宿外苑中を訪問し、陸上部員たちと交流した。
本人の希望をもとに日本陸連が協力し、同校の放課後の練習を見学。陽が沈み始めた午後5時ごろに運動場に姿を現すと、子どもたちからは興奮交じりの歓声が上がった。練習後には部員からの質問にも丁寧に対応。「いつも練習でしている走りができればタイムは勝手に出る。逆にタイムを意識しているとあまり出ない。どれだけ他の選手を気にせず、自分の走りができるか」などと語りかけ、自分の走りに集中することの大切さを説いた。
来年9月に世界選手権東京大会を控えており、オフ期間にあたる今秋は精力的に子どもたちと交流。「子どもたちや地域社会、いつもサポートしてくださる方々にお返ししていくためには、小さなことを積み重ねるのが大切。自分が現役で最前線で戦っている時にやることにものすごく意味がある」と言葉に力を込めた。
交流を重ねる中でうれしいニュースもあった。10月中旬には中高生12人と2日間にわたってトレーニングキャンプを実施。そこに参加していた福田花奏(兵庫・神河中3年)が翌週の大会で女子100メートル障害(ハードル)に出場し、13秒09(追い風1・6メートル)のU18日本新記録を樹立したのだ。「すごいなと思いました。試合が終わった後にZoomで話をする機会も設けていただけて。僕が直接コーチをしているわけではないですが、うれしかったですね」と笑顔で喜んだ。
自身は早ければ近日中に拠点とする米国へ戻り、本格的な冬季練習を始める。「冬季練習への恐怖と責任感がある。来年はやってやるぞという思い」。子どもたちの活躍も力としながら、次のステージへ進んでいく。【藤塚大輔】
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