ノルディックスキー複合男子で冬季五輪3大会連続メダリストの渡部暁斗(36=北野建設)が“集大成”を前に、心境を明かした。7日、合宿地のノルウェーへ出発前に、羽田空港で取材に応じた。
26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズンが始まる。出場すれば6度目となる舞台に向け「次のオリンピックは自分の競技人生の集大成という気持ちがある。悔いの残らないように、最善の取り組みをしたい」と誓った。
“集大成”について「引退というふうには明言はしません」。一方で、残り少ない現役生活を楽しむ気持ちも芽生えた。「取材もあと何回受けるのかなとか、飛行機にあと何回乗るのかなとか。卒業前の学生みたいな気持ち。余命宣告をされた人なのか…。そういう気持ちが芽生えてるのは間違いない」と笑った。
決断のきっかけは「長い間家を空けて、家族にも負担をかけている。自分の負担にもなってきている。どういう人生を過ごしていくのか考え直した」と明かした。
「フィジカルの衰えは感じていない」と、年齢による影響は否定。22年北京五輪では個人ラージヒル、団体で銅メダルを獲得。今年9月に行った持久系の体力テストでは、当時よりも良い結果をたたき出した。36歳で“絶頂期”を迎え「パフォーマンスはむしろ上がってきてる」と成長を実感している。
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しかし「過去2シーズン苦戦してきた」と結果が出せていないことも自覚している。五輪の足音も近づきつつあるが「世界選手権でメダルを獲得したり、ワールドカップで表彰台に乗る。成績を残すことで、他の国の選手にプレッシャーを与えることもできる」と、結果も追い求める覚悟を示した。
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