【競馬予想】エリザベス女王杯は本命を出し抜いて一発を狙うトップ騎手がズラリ! なかでも注目は?

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2024年11月09日 07:10  webスポルティーバ

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ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

――秋の女王決定戦、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)が11月10日に行なわれます。GIウィナーが2頭のみという顔ぶれですが、全体のメンバー構成についての印象を聞かせてください。

大西直宏(以下、大西)昨年もGI馬が1頭だけで「小粒なメンバー」と話した記憶がありますが、今年もGI馬が2頭にとどまり、3歳馬もわずか1頭。昨年同様、やや寂しいメンバー構成と言えますね。

 複数のGIを制しているリバティアイランド、チェルヴィニア、スターズオンアースらトップレベルの馬がより高い舞台を目指すのは当然としても、マスクトディーヴァ(屈腱炎で引退)、ミッキーゴージャス(前哨戦を熱発で回避し休養中)、ステレンボッシュ(海外遠征を目標に調整中)といった実力馬がさまざまな理由で不在となってしまったのは残念です。

 同じく、昨年の牝馬三冠レースで奮闘したドゥーラや、今春の牝馬クラシックで活躍したライトバックも前走のGIII新潟記念(9月1日/新潟・芝2000m)で放馬による除外となって、ともに現在は休養中。こういった面々がそろっていれば、白熱したレースが期待できたと思うのですが......。

――確かに出走メンバーは寂しい印象ですね。それでも、今週から短期免許を取得して海外のトップジョッキーたちが来日。エリザベス女王杯でも手綱を取りますから、日本のトップジョッキーを含めて、鞍上の腕比べは見応えがありそうです。

大西 今回は、それが大きな楽しみのひとつです。すでに来日しているクリスチャン・デムーロ騎手は、初週(10月26日、27日)から8勝の固め勝ち。その技量を見せつけてくれました。そして今週からは、ライアン・ムーア騎手、トム・マーカンド騎手らも参戦。彼らがどんな手綱さばきを見せてくれるのか、期待が膨らみます。

 とりわけムーア騎手は、世界でもトップクラスの騎手として知られ、内をさばく技術は随一です。そういった手腕を存分に発揮して、スノーフェアリーに騎乗した彼が2010年、2011年のエリザベス女王杯で連覇を遂げたことは、今でも語り草になっています。こうした鞍上の技術が、出走馬のレベルが小粒でもレース自体はハイレベルなものに引き上げてくれるのではないでしょうか。

――人気が予想されるのは、レガレイラ(牝3歳)。唯一の3歳馬ですが、断然の支持を集めそうです。こういった存在がいるレースでは、各騎手のメンタリティはどんな感じなのでしょうか。

大西 人気馬に乗る騎手のプレッシャーは相当なものですが、他馬に乗るジョッキーは「一発を狙ってやろう」と前向きな気持ちになることが多いです。

 特にレガレイラは追い込み脚質なので、他のジョッキーの視界に入るのは直線に入ってから。つまり、他馬の手綱をとるジョッキーたちは「かわされたら仕方がない」と割りきれる分、自分の競馬に徹することができます。

 一方、レガレイラに騎乗するクリストフ・ルメール騎手にしても、いつもどおりの競馬を心掛けるだけ。彼はこの馬の能力を十分に把握しており、京都の外回りならどこから仕掛ければいいかも熟知しています。今回は、最後の直線入り口で馬群がバラけやすいコースということもあって、脚を余す心配もしていないのではないでしょうか。

――ところで、上がり馬として注目されているホールネス(牝4歳)は、デビューから主戦を務めてきた西塚洸二騎手から坂井瑠星騎手へ乗り替わり。こちらは、鞍上強化の意味が大きいのでしょうか。

大西 勝負の世界ではこうした采配も仕方ありません。騎手の先輩としては、若手の西塚騎手に経験を積ませてあげたいという気持ちもありますが、勝利への期待が強い馬だからこそ、実績のある騎手へスイッチする、というのも理解できます。

 ホールネスは先行策から早めに抜け出せる馬なので、坂井騎手との相性も悪くないでしょう。この路線の新星候補として、その走りには注目しています。

──人気のレガレイラ以外の騎手たちは「一発を狙ってやろう」という気持ちが強くなるとおっしゃっていましたが、その一発を期待できる馬として、気になる馬はいますか。

大西 僕が注目しているのは、武豊騎手が騎乗するハーパー(牝4歳)です。昨年のエリザベス女王杯3着以降、成績は振るいませんが、今回は新たにブリンカーを着用するなど、復活へ向けての試行錯誤が感じられます。

 ハーパーを管理する友道康夫厩舎と武豊騎手のコンビと言えば、GI菊花賞で3着に入ったアドマイヤテラや、GI天皇賞・秋で異次元の末脚を繰り出して優勝したドウデュースなど、この秋の大舞台でも好成績を重ねています。このパートナーの強い信頼関係は、大一番のパフォーマンスでこそ際立っているように思います。

 ハーパーは前走、20kg増の馬体でした。そこから、ここにはしっかりと絞り込んでGI仕様の仕上げで臨んでくることは間違いないでしょう。ブリンカー効果で集中力が高まれば、大きな変わり身も期待できそうです。

 武豊騎手は「京都は庭」というほど、コースに精通しています。昨年3着の実績があるハーパーが「ヒモ穴」として浮上する可能性は十分。押さえておきたい1頭です。

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