韓ヒョンデが新型「IONIQ5」を発売! バッテリーを1種類に絞った理由は?

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2024年11月09日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
韓国のヒョンデが電気自動車(EV)「IONIQ5」(アイオニック5)の改良モデルを日本で発売した。新型アイオニック5はバッテリー容量が84kWhに拡大。フル充電での走行距離(一充電走行距離、WLTCモード/自社測定値)は703kmとかなりの数値になった。ただ、バッテリーが小さい(価格が安い)バージョンはラインアップから消えてしまっている。いったいなぜ?


アイオニック5はどう変わった?



アイオニック5はヒョンデが2021年に発売したフラッグシップEV。日本導入は2022年2月だった。これまでに世界で累計34万台超が売れているそうだ。



今回の新型はユニークなデザインを維持しつつ数々の新装備を採用し、バッテリー容量を増やし、動力性能を引き上げた改良モデルだ。


改良モデルが搭載するバッテリーの容量は84kWh。改良前のアイオニック5には58kWhと72.6kWhがあったが、大容量バージョンと比べても容量が10数%増えたことになる。新型はバッテリーの容量増加とエネルギー密度の高い「第四世代バッテリーセル」の採用により、一充電走行距離が703kmまで伸びている。従来型モデルの72.6kWhバッテリー搭載モデルは618kmだった。

ところで、改良前はバッテリー容量が2種類から選べたのに、なぜ改良後はバッテリーが1種類になったのだろうか。バッテリーが小さい(価格が安い)バージョンを用意すれば、より多くのユーザーを獲得できそうなものなのだが……。



Hyundai Mobility Japanのシニアプロダクトスペシャリストである佐藤健さんによると、アイオニック5の改良モデルには、グローバルでは容量63kWhのバッテリーを積んだバージョンもラインアップしているとのこと。ただ、日本市場の顧客は「もしものとき、どれだけ(の距離を)走れるか」を重要視するので、改良前のアイオニック5についても、バッテリー容量が小さいバージョンは「ほとんど売れていなかった」そうだ。そこで今回は、大容量バージョンのみにラインアップを絞った。



ちなみに佐藤さんによれば、改良前の「アイオニック5」には、15万kmを走行してもバッテリーの最大容量が97%までしか減少しなかったというデータがあるそうだ。これはタクシーとして使用された(当然、急速充電を何回も行ったはずの)アイオニック5から得られたデータだという。スマートフォンユーザーからしてみると使い倒せばバッテリーは「へたる」はずだと思うのだが、アイオニック5のバッテリーは劣化しづらいのかもしれない。

5年で販売規模を10倍に? ヒョンデの野望



2022年2月に日本に「再進出」を果たしたヒョンデ。これまでに「アイオニック5」のほか、燃料電池自動車(FCEV)の「ネッソ」(NEXO)、アイオニック5よりも小さなSUVタイプのEV「コナ」(KONA)、超高性能EVの「アイオニック5 N」を日本市場に投入してきた。日本での累計販売台数は1,500台を超えたという。Hyundai Mobility Japanマネージングダイレクターの七五三木敏幸さんは、販売規模を今後5年で10倍超に引き上げたいとの野心的な目標を掲げている。


日本での販売増に重要な役割を果たしそうなのが、2025年春ごろの発売を予定する小型SUVタイプのEV「インスター」(INSTER)だ。このクルマ、すでに韓国と欧州では発売済みだそうで、英国では約2.3万ポンド(約454万円)からという価格設定で販売しているという。バッテリーの容量は42kWh(一充電走行距離203マイル=約327km)と49kWh(同229マイル=約369km)の2種類から選べるようだ。ボディサイズは全長3,825mm、全幅1,610mm、全高1,575mmとかなり小さいので、日本の道路でも扱いやすそうなクルマに思える。


佐藤さんによると、日本におけるクルマの売れ筋は250万円〜350万円くらいの価格帯なのだとか。インスターの価格設定については検討中だそうだが、この売れ筋価格レンジにはEVの選択肢が少ない(BYDのドルフィンくらいしかない?)ため、戦略的な値付けができれば、かなり魅力的な小型SUVタイプのEVとして日本市場に売り込めるかもしれない。(藤田真吾)

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