カレント自動車が「ネオクラシック名車」にフォーカスした買取直販の新店舗「ガレージカレント直販センタ」をオープンした。どんなクルマを販売するのか。買取直販のクルマは何が魅力なのか。オープン前の店舗を訪問して担当者に話を聞いてきた。
中古車をネットで販売? 状態をどう伝えるのか
ガレージカレント直販センタは旧車、輸入車一筋で20年以上の実績があるカレント自動車の希少車・名車販売事業「ガレージカレント」のセカンドライン。ネオクラシックカー(1980年代〜2000年代)のクルマにフォーカスし、主にネットで販売を行う。
カレント自動車では旧車買取専門サービス「旧車王」や輸入車買取専門サービス「外車王」などを通じ、毎日、日本全国の顧客からクルマを買い取っている。その中から厳選したクルマを、基本的には買い取った状態で手を加えず、「鮮度」のいい状態で、なるべく手ごろな価格で販売していこうというのが新店舗設立の趣旨だ。同社では小規模ながらも自社販売を行なっていたが、今回は規模を大幅に拡大し、自社販売を行なっていく運びとなった。
基本はネットで販売を行うとのことだが、商品は中古車であり個体差もあるため、買う方の気持ちとしては状態が詳しく知りたくなる。そのあたりについてガレージカレント直販センタを担当するカレント自動車 経営企画室の藤村文弥さんは、「オンライン上で、実車を見たかのようにクルマの状態を知ることができるよう、情報提供に力を入れていきます」と話す。YouTubeを使って動画でクルマの状態を伝えることにも取り組んでいくとのことだった。
YouTubeではクルマの操作感や走っている様子も発信していくという。エンジン音やドアの閉まり音など、音にこだわるクルマ好きも多いので、情報提供の手段として動画はかなり効果的だ。
買取直販のクルマ、何が魅力?
買取直販=エンドユーザーから買い取ったクルマをすぐにエンドユーザー向けに売るという業態なので、クルマの価格設定には期待できる。いくつもの中古車店を渡り歩いたクルマには中間マージンが複数回にわたって加算されていそうだが、ガレージカレント直販センタならそういった心配がないからだ。基本は買った状態で売る(仕上げを施さない)そうなので、その分の金額の上積みもないということになるし、店舗に並ぶまでの時間も短くて済む。
買ったクルマを育てる楽しみが大きいのも買取直販ならでは。「こうしたクルマが好きな方の中には、メンテナンスやパーツ交換などをご自身で行う方、クルマを愛でる時間を楽しまれている方がけっこういらっしゃいます。買ったクルマを自分でコツコツ仕上げていきたい、育てていきたいという方には、弊社の商品を見たら『おっ!』と思っていただけるはずです」と藤村さんは話す。
「完成されたクルマは手の加えようがないので退屈」とか、「中古車ならではの『ヤレ感』が好き」というマニアックな人たちは、ガレージカレント直販センタに並ぶクルマをチェックしてみるといいかもしれない。もちろん、「買う前にここだけ直して」などの相談にも応じてくれる。
ガレージカレント直販センタで取り扱うクルマの一番の魅力は「鮮度のよさ」だと藤村さん。「弊社に並ぶクルマのほとんどは、つい最近まで、誰かが乗って走らせていたクルマです。動いているクルマと動いていないクルマとでは、やっぱり違います。感覚的な話で申し訳ないんですが、(放っておかれると)クルマが『すねてしまう』ということもあると思うんです」とのことだ。
魚や果物のように、クルマ(中古車)にも鮮度がある……。ちょっと難解なところもある例えだが、実際のところ、最近まで走っていたクルマであれば内部の各種機関も元気に動いていたということになるので、中古車を買う際の安心材料として「鮮度のよさ」はけっこう大きな要素になりそうだ。
11月5日にサイトをのぞいてみたところ、ガレージカレント直販センタの取り扱い台数は18台となっていた。今後、ラインアップは増加していくとのことだ。もちろん売れたクルマは抜けていくので、品ぞろえについては入れ替わりを続けていくことになるだろう。
記事内の写真で紹介してきたのは、10月31日にオープン前の店舗で撮影してきたクルマたちだ。この手のクルマはいつ売れてしまうかわからないので、気になるクルマがあったら早めのコンタクトがオススメだ。(藤田真吾)