睡眠と女性不妊
11月5日、「NEWS MEDICAL」は福建医科大学(中国)の研究を取り上げ、睡眠と卵巣予備能における関連性について提示した。
睡眠と卵巣予備能には関連性があり、ホルモン分泌量ならびに卵胞数において顕著な違いが認められた。睡眠時間が少なく、睡眠の質が低下することによってホルモン分泌量は減少し、卵胞の発達は阻害されるという。
なお、研究論文は「scientific reports」にて掲載されている。
睡眠と卵巣予備能における関係性
研究チームは、2020年7月から2021年6月の期間、福建省の医療機関にて不妊治療(体外受精、顕微授精)を受ける女性979人を対象に睡眠の質や睡眠障害に関する調査を実施した。
ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI:睡眠の習慣)、エプワース眠気尺度(ESS:睡眠時無呼吸症候群)、STOP-Bangテスト(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)に基づき睡眠について評価したところ、睡眠時間と睡眠の質は卵巣予備能に影響を与えることが認められた。
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卵巣予備能が低い女性群(148人、平均年齢35.35歳)は、卵巣予備能が正常な女性群(831人、平均年齢31.70歳)と比べて平均睡眠時間が短い傾向にあり、抗ミュラー管ホルモン(AMH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール(E2)、テストステロンなどのホルモン分泌量、卵胞の数が少なくなったという
特に、睡眠時間が8時間以上の女性は、睡眠時間が6時間未満の女性より抗ミュラー管ホルモン量、卵胞の数が多いことが認められた。
一方、入眠潜時(覚醒状態から眠りに入るまでの所要時間)は卵巣予備能が低い女性は平均15分、卵巣予備能が正常な女性では平均22分であった。入眠潜時の長さに伴い抗ミュラー管ホルモン量や卵胞数は増加した。とりわけ、35歳以上の女性では、入眠潜時が短いほど卵巣予備能の低下リスクが増すという。
(画像はscientific reportsより)
scientific reports
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