現地時間10日に行われたプレミアリーグ第11節でアーセナルはチェルシーと対戦し、1−1の引き分けに終わった。
チェルシーの本拠地『スタンフォード・ブリッジ』で行われた今シーズン最初のビッグロンドン・ダービーは、序盤から一進一退の攻防が続き、スコアレスで前半を折り返す。拮抗した展開の中、60分にアーセナルがガブリエウ・マルティネッリのゴールで先制するも、10分後にペドロ・ネトが強烈なミドルシュートを沈めて同点に。その後は互いに追加点を奪えず、同じ街を本拠地とするチーム同士の一戦は1−1で幕を閉じた。
これでアーセナルはリーグ戦4試合未勝利となり、首位リヴァプールとの勝ち点差は「9」まで拡大。ミケル・アルテタ監督は試合後に「結果にはがっかりしている。我々は勝利に値するパフォーマンスを見せていたからだ。先制点を奪った後、簡単にゴールを破られたことに非常に失望しているよ。我々の守備のスタンダードに基づくならば、あのような形での失点は到底許してはならない」と悔しさを滲ませた。
しかし、この試合ではアーセナルにとって非常にポジティブな要素もあった。主将を務めるノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴーアのパフォーマンスだ。約2カ月ぶりに先発復帰した“絶対的司令塔”は、ライン間で巧みにボールを引き出しつつ、時には最終ラインの脇まで落ちてビルドアップをサポート。果敢なプレッシングで何度もチェルシーの前進を阻み、絶妙なループパスでマルティネッリの先制点をアシストした。
データサイト『Sofascore』によると、ウーデゴーアはチェルシー戦で4本のキーパスと2つのビッグチャンスクリエイトを記録。10点満点中の採点では、プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POTM)に輝いたネトに次いで両チーム通じて2番目に高い「7.6点」を獲得している。アルテタ監督も「ほとんどチームと一緒に練習していない中、プレミアリーグの舞台でこのレベルでプレーできるということは、彼が普段からどれだけ自分のことをよく見ているか、そしてどれほどまでに優れたリーダーシップと人格を持っているかを物語っている」と賛辞を送った。
現地メディアもウーデゴーアがチェルシー戦で見せたパフォーマンスに注目している。『スカイスポーツ』は「ウーデゴーアがアーセナルにタイトル獲得の希望を与えた」と題しつつ、「アーセナルの得点はウーデゴーア効果を示している。それはクオリティーの高さだ。前進するだけでなく、ボールを奪い返し、高い位置でプレスをかける。彼が戻ってきた今、アーセナルのパフォーマスはどんどん上がっていくだろう」という元イングランド代表MFジェイミー・レドナップ氏のコメントを紹介した。
また、『イブニング・スタンダード』は「ウーデゴーアの復帰はアーセナルに本当の希望をもたらす」としつつ、マルティネッリの先制点をアシストしたパスについて「アーセナルが何カ月間も使っていなかったようなパスだった。彼らの攻撃は創造性に飢え、停滞していたが、ウーデゴーアの復帰はそれを変えるはずだ」と指摘。『ガーディアン』は直近の成績不振について「機動力のあるフィールド上の頭脳の欠如との相関関係は明らかだった」とした上で、「依存度の高さは依然として懸念材料だ」と伝えている。
現地時間23日に控えるインターナショナルマッチウィーク後の初戦では、ここまで5位と躍進しているノッティンガム・フォレストと対戦するアーセナル。頼れる主将が待望の復帰を果たした中、本拠地『エミレーツ・スタジアム』でのチームのパフォーマンスに改めて注目が集まる。