価格と性能のバランスがいい「Xiaomi 14T Pro」 10万円台前半でもいい感じの「ライカカメラ」を楽しめる

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2024年11月13日 17:11  ITmedia Mobile

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同じサイズの円が4つ並んでいるデザイン(1つは見て分かる通りLED)のXiaomi 14T Pro。ハイエンドっぽい高級感がある

 「Xiaomi 14 Ultra」のライカ無双っぷりがまだ冷めやらぬ中、2024年秋モデルとして登場するのが「Xiaomi 14T Pro」だ。


【その他の画像】


 Xiaomi 14 Ultraはカメラがいいけど、おサイフケータイなしで20万円弱だった。それに対して、Xiaomi 14T Proはライカの監修を受けたカメラを搭載して、おサイフケータイも使えるのにオープンマーケット版なら10万9800円から(12GBメモリ+256GBストレージ)と、お手頃。この価格で“ライカ無双”できるなら、めちゃ魅力的じゃないか、というわけだ。


 ちなみに、Xiaomi 14T Proの先代に相当する「Xiaomi 13T Pro」の日本向けモデルはライカじゃなかった(海外モデルではライカ監修カメラを搭載していた)。今回はライカの監修を受けたせいか、カメラアプリは同じシリーズとは思えないほど違う。ボディーのデザインも変わっている。


 カメラ重視視点でいえば、13T Proで心引かれなかった人も、14T Proはまったくの別ものとして要注目、というわけだ。早速チェックしていこう。


●3つのカメラに5つの焦点距離 なぜ?


 さすがにそれなりに価格差があるので、カメラユニット1つ1つの性能はXiaomi 14 Ultraの方が上だ。メインカメラ(広角カメラ)は14 Ultraが1型センサーなのに対し、14T Proは1/1.3型とちょっと小さい(でもハイエンドスマホのカメラとしては十分なサイズだ)。


 また、14 Ultraは4つのアウトカメラ全部が約5000万画素センサーを搭載して超強力なのに対し、14T Proのアウトカメラは3つで、超広角カメラは約1200万画素と割と普通のセンサーとなっている。望遠カメラも60mm相当と、そこまで望遠じゃない。


 でも、実際に使ってみてその差をあまり感じないなら、「Xiaomi 14 T Proでいいじゃないか」となるよね。


 というわけで、性能チェック。


 まずカメラを起動すると、2種類の画作り(スタイル)があるってことを教えてくれる。この辺は14 Ultraと同じだ。


 1つは「Leica バイブラント」。フレッシュで躍動的だそうな。もう1つは「Leica オーセンティック」。こちらは自然でリアルとのこと。


 簡単にいえば、Leica バイブラントは「スマホカメラ風のちょっと派手めのスタイル」で、Leica オーセンティックは「あまり派手にせず、コントラストもしっかりしたLeica風のスタイル」ってことだ。


 分かりやすい例を1つ。青空に大きな違いが出ている。


 派手めで印象的な画が欲しい時はバイブラント、カメラっぽいナチュラルな画が欲しい時はオーセンティックを選べばいい。


 文字が小さいので分かりづらいけど、撮影時は左上のアイコンを見れば、どちらになっているのか分かる。


 では、Leica オーセンティックで各カメラの撮影をしていく。Xiaomi 14T Proのカメラは3つ。15mm相当の超広角、23mm相当の広角、60mm相当の望遠だ。


 しかしカメラアプリを見ると、「0.6x」「1x」「2x」「2.6x」「5x」と5つの倍率が表示されている。2xの次が2.6xというのが、なんか中途半端だ。


 この並びになっているのには、理由がある。


 「0.6x」は、約1200万画素の15mm超広角カメラを使っている。「1x」は、約5000万画素の23mm広角カメラで、普段は4画素を1つにまとめることで感度を上げている(4-in-1スーパーピクセル)。「2x」は、この23mm広角カメラの中央部の画素(1250万画素)だけを使っている。2xなので、46mm相当だ。


 「2.6x」は、約5000万画素の60mm望遠カメラで、こちらも普段は4画素を1つにまとめて約1250万画素の画を作っている。「5x」は、その中央部の画素(1250万画素)だけを使っていて、120mm相当になる。


 そういうわけで、2xの次が2.6xという微妙な差になるのだ。


●ガスタンクはどんな感じ?


 では、いつものガスタンクで順番に撮っていこう。どれも、Leica オーセンティックで撮影している。


 で、2xと2.6の微妙な差をどうぞ。


 2xの方は広角カメラなのでF1.6、2.6xの方は望遠カメラなのでF2.0。両方を拡大して見ると、微妙に2.6xの方がディテールはしっかりしているかな。まあ微妙だ。どっちか困ったら、2.6xにしちゃっていいかもしれない。


 ただし、2.6xは撮影最短距離が長めなので、料理など近距離のものを撮るときは、自動的に広角カメラの2.6xデジタルズームになっちゃう。そこは要注意かな。


 でも、メインカメラ(広角カメラ)のデジタルズームで撮った60mm相当も意外に悪くないので。気にしないというのも手だ。


 最後は5x(120mm相当)で撮ってみよう。


 ちなみに、Leica バイブラントで撮るとこんな感じになる。


 画質について細かい事いえば、Xiaomi 14 Ultraの方が上かな(当たり前かもしれないけれど)。特に、階調表現はあっちの方がよかったなと思う(ただし、2台並べて撮り比べたわけじゃないので個人の印象です)。でも、日常の利用ならXiaomi 14T Proで十分でしょう。


●他の作例も撮ってみよう


 他の写真もいっときます。ほんのりと外光がはいっているお店で料理を。Leica バイブラントとLeica オーセンティックで撮り比べ。どっちがおいしそう?


 次は、超広角で明暗差が激しい構図に挑戦。けっこういい感じに撮れた。


 次は23mmで透明なアクリルボールで寝ている猫を下から。猫は液体なのかもしれない。


 続いて46mm。


 偉いのが、被写体が止まっているか動いているかでシャッタースピードが変わること。常にうまくいくわけじゃないけど、室内でプラレールであれこれ試してみると、静止していると見なされたときは1/100秒だったのに、動いていると判断されたら1/412秒に上がった。


 これ、動いているペットを撮るときに重宝するのだ。


 続いて60mm。


 そして夜。自動夜景モードをオンにしていると、暗所では夜景モードに切り替わるのだけど……かなり暗くならないと夜景モードにならないレベルで秀逸。


 これなんか、街灯がほんのり当たっているくらいの暗い場所(右手のお店は閉店後なので照明もない)で、ISO感度もぐんと上がっているのに、写りはしっかりしている。


 夜にも強いってのはダテじゃなかった。


●Leicaポートレートの実力は?


 続いて人を撮る。Leica オーセンティックとLeica バイブラントで。


 どっちがお好みか問題――わたしなら、基本オーセンティックを使うかな。


 続いてはポートレートモードを試してみよう。


 ポートレートモードにすると、カメラは「倍率表記」ではなく「レンズの焦点距離表記」になる。背景をぼかす機能を提供する……んじゃなくて、搭載レンズそのものの23mmと60mmに加えて、Leicaの代表的なレンズフィーチャーしましたというデザインだ。


 「23mm」「35mm」「60mm」「75mm」「90mm」の順である。まず35mmで撮って、背景を大きくぼかしてみた。


 ポートレートにはLeicaポートレートとマスターポートレートの2つのスタイルが用意されている。


 違いはこんな感じ。ちょっと補正かけて華やかにするか、リアルな感じにするかだ。


 実はここ、ちょっと暗くて外光と人工照明がまじっている環境だったので、色に影響されないモノクロでも撮ってみた。ライカの名がついたモノクロフィルターだ。黒がいい感じに締まっててカッコいい。


 さらにポートレートモードで「マスターレンズシステム」を使うと、ライカレンズのシミュレートをしてくれる(っぽい)。


 ここは50mm/F0.95で撮ってみた。


 ポートレートモードは、もちろん人以外にも使える。背景をぼかした印象的な写真を撮りたいときにいい。


 横断禁止を35mmで撮ってみる(マスターレンズシステムの35mmを使用)。


 さらにうちの黒猫を50mmで(マスターレンズシステムの50mmを使用)。


 夜のスナップもいこう。とんこつらあめんのちょうちんを60mmで。


 かくして、色もいいしHDRもわざとらしくないし、実に安心して使えるカメラなのだった。


●価格と性能のバランスがちょうどいいスマホ


 最後に「ドキュメントモード」も。便利なのでぜひ使ってみてほしい。


 お店にこんな感じの手書き日替わりメニューがあったのだ。


 ここにドキュメントモードでカメラを向けると、こんな風に枠を見つけて、そこだけを補正して矩形で撮ってくれる。


 なお、動画までは今回手が回らなかったけど、ビデオモードでは8K(7680×4320ピクセル)/30fpsまで撮影できる。ただし、スーパー手ブレ補正をオンにすると、解像度がフルHD(1920×1080ピクセル)までになる。スーパー手ブレ補正をオンにして歩きながら録ると、ブレがほとんど無くて素晴らしい。実用的なのは、そっちかな。


 さらに映画モードにすると背景をぼかしたよりワイドな映像を撮れる。


 総じて、価格を考えるとすごく魅力的な端末。ライカっぽいアーティスティックなスナップから、実用のドキュメントまで撮れるのだ。


 最近、トリプルカメラを搭載したハイエンドスマホの場合、超広角と広角の2つを5000万画素クラスに強化してくる製品が目立つ中、Xiaomi 14T Proは広角と望遠を5000万画素に強化してきた。これはスナップ向きカメラとしては“アリ”な選択だ。


 先述した通り、カメラとしての性能はXiaomi 14 Ultraに分があるけど、価格を考えたらバランスはXiaomi 14T Proの方がいいかなと思う。まあなんというか、ハイエンド機としてちょうどいい感じなのだ。



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