スコットランド東岸セント・アバズ・ヘッド国立自然保護区内のハイイロアザラシの親子。繁殖時期に入り、コロニーには赤ちゃんの姿が確認できる(『St Abb’s Head National Nature Reserve NTS Facebook「Pettico Wick is now closed off to allow female seals to come ashore to breed.」』より) イギリス・スコットランドの砂浜で12日、ハイイロアザラシの貴重な出産シーンが撮影された。通常、野生のアザラシは超スピード出産であるうえに、明るい日中に子どもを産むことは非常に珍しく、写真撮影ができたのは奇跡的だとされている。英ニュースメディア『NeedToKnow.co.uk』などが伝えた。
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12日、スコットランド東岸に位置する「セント・アバズ・ヘッド国立自然保護区(St Abb’s Head National Nature Reserve)」内にあるペティコ・ウィックの砂浜で、ハイイロアザラシが出産した。
同保護区はスコットランドの自然・文化遺産を保護する団体「ナショナル・トラスト(NTS)」が所有、管理しており、出産の様子は保護区のレンジャーであるジョーダンナさん(Jordanna)が撮影し、Facebookで共有された。
投稿によると、ハイイロアザラシのメスのほとんどは夜間に砂浜に上陸して出産するそうで、出産シーンに遭遇することは、コロニーを長年観察してきた保護区のスタッフでも稀である。
ところが幸運なことに、その日はジョーダンナさんだけでなく、ビーチを訪れていた大勢の観光客の目の前で母アザラシが出産し、奇跡的な撮影に成功した。
「自然の驚異」と言葉が添えられた出産写真は全部で7枚あり、最初の1枚は砂浜の上に寝そべる母アザラシの後ろ足の合間から、赤いボールのような塊が飛び出しているのが見て取れる。
ほかにも羊膜に包まれた赤ちゃんが出てきた瞬間や、羊膜が破れて黄色い産毛に包まれた赤ちゃんが姿を現した瞬間が捉えられており、これらの写真には「こんな瞬間を撮影できたなんて素晴らしい!」「出産に立ち会えて本当に幸運だった」「なんて特別な瞬間なの!」「赤ちゃんに幸運がありますように」といった声が次々と寄せられた。
このハイイロアザラシの出産は30秒で終わり、子アザラシは誕生後間もなく、母のお乳を飲み始めた。スタッフは「この驚異的な速さも、アザラシの出産シーンを滅多に見ることができない理由の一つ」と説明し、「コロニーでの特別なイベントを多くの人と共有できることを嬉しく思う」と喜びの声を記した。
ペティコ・ウィックには現在、雌のハイイロアザラシが繁殖のために多数上陸しており、クリスマスまでの間の毎週末、双眼鏡や望遠鏡でコロニーを観察するイベントが開かれている。
なお、人間の赤ちゃん誕生における貴重な瞬間としては今年4月、
看護師が妊婦に向けて発信を続けるInstagramに、破水せず卵膜に包まれた状態で誕生した“被膜児”の動画が投稿されて大きな注目を集めた 。
画像は『St Abb’s Head National Nature Reserve NTS Facebook「Pettico Wick is now closed off to allow female seals to come ashore to breed.」「Natures miracle」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)