35歳以上の4人に1人は「生涯現役が理想」と回答……セックスレス日本の性に関する意外な本音

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2024年11月16日 22:21  All About

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世界屈指のセックスレス大国である日本のリアルは、4人に1人が「生涯現役」を望んでいた? 性に関する大規模な実態調査から、とくに「ミドルエイジ」と「シニアエイジ」の性事情をひも解きます。
セルフプレジャーグッズメーカーのTENGA(テンガ)が35〜79歳までの男女500人にアンケート調査を実施。「性生活の変化」や「体の変化」などミドルエイジ以降の性について、さまざまな切り口から明らかにしています。

その調査結果から、ミドルエイジ(35歳〜54歳)とシニアエイジ(55歳以上)の性事情に関する気になるデータをご紹介しましょう。

男女とも4人に1人は「生涯ずっとセックスしたい」

今や日本人の6割以上がセックスレス(=性交渉の頻度が月1回未満)と言われる時代ですが、ミドル&シニアエイジの性生活への欲望は枯れることを知らないようです。

調査によれば、「セックスなどの性生活は、何歳くらいまでできるのが理想だと思いますか?」という問いに対して「生涯ずっと」と答えた人は男性26%、女性23%。4人に1人が、生涯にわたる性生活を理想と考えています。

さらに、「50代後半まで(でできるのが理想)」に回答の幅を広げると、男女とも約半数が当てはまります。

「日本人って、淡白でセックスに興味がない人種でしょ」と思っていた人にとっては意外な結果かもしれません。

もちろん、こうしたアンケートの回答者については、「TENGAのアンケートに答えるぐらいだから、そもそも性に関心が高い層なのでは?」という想像もできます。

しかし筆者が運営する「恋人・夫婦仲相談所」にも、さまざまなミドルやシニアから性の相談が寄せられていることから、この世代の性への関心度は決して低くないと体感しています。

今の50代後半以上は、いわゆるバブルを経験してきた世代。

歴史上、最もドライブを楽しみ、美味しいディナーを食べ、おしゃれバーで飲んで、スポットビームビシバシのディスコで踊って、お高めのホテルにステイしていた世代と言っても過言ではないでしょう。空前の好景気を知るこの世代は、シニアになった今も、令和の若者よりメンタルが元気なのかもしれません。

日本人が考える「理想の性生活」と現実のギャップ

また「性生活」の「理想と現実のギャップ」という問題も、このアンケート結果が示していると考えます。

理想の性生活を送るには、同じ気持ちを共有できるパートナーが必要です。4人に1人が「生涯ずっとセックスしたい」と思っていても、パートナーにその気がなければレス化する現実が待ち受けています。

日本人の性生活の理想と現実のギャップが生じる原因は、パートナーとのコミュニケーションの乏しさにあると筆者は考えています。

例えば、欧米人のパートナーとのコミュニケーションは、日本人とは根本的に違います。

夫は毎日「愛してる」「きれいだ」と妻を褒め、「マイハニー」「マイスイート」と甘い言葉で妻に呼びかけます。そして妻のためにドアを開け、コートを脱がせてあげて、やさしく手を取ってエスコートをする。お出かけ前には、もちろんキスとハグ。子ども抜きの夫婦のお出かけも当たり前。

普段から濃密な男女コミュニケーションがあれば、その延長に夫婦の性生活は当たり前に存在します。

もしも「したい」という気持ちはあっても、日常のコミュニケーションが貧相であれば、実際の性行為に結びつけることができません。

「夫とは、セックスどころかハグやスキンシップもない」(46歳女性)

「ここ数年はスキンシップどころか、目と目を合わせた会話すらできていない」(57歳女性)

など、「恋人・夫婦仲相談所」に寄せられるリアルなコメントが、コミュニケーション下手な日本人を浮き彫りにします。

女性の6割が「性生活のアップデートは必要」と回答

若いころは勢い任せだった性生活も、加齢と共に起こる体の変化とともにスタイルを変えていく必要があります。また、人は飽きる生き物でもあります。マンネリを防ぐために新しいことにチャレンジする必要が出てくるでしょう。

性生活のアップデートは、年齢相応の楽しみ方を発見するためには絶対に必要なことです。

ところが、同調査の「セックスやセルフプレジャー等を、年齢や体のコンディションに応じてアップデートした方がよいと思いますか?」という問いに対しては、「アップデートが必要」と考えている人が男性で7割超、女性で約6割でも、「アップデートを実践できていない」人が男性で6割超、女性で約5割いるようです。

これもまた「理想の性生活」と現実とのギャップを示しています。

性生活を変えたいと心の中では思っていても実際にパートナーに提案することは難しく、性についてオープンに話し合う習慣がない日本のカップルの姿が浮かび上がってきます。

「結婚して25年ですが、夫とお互いの性の嗜好について話したことは一度もありません」(54歳女性)

「一度、夫にしてほしいことを囁いたら『淫乱』と言われ、ショックを受けました」(40歳女性)

「40代後半の頃、更年期の症状があるので今はできないと言ったら、そのままずっと誘われていません」(55歳女性)

アプデートしないと日本人のレス化はさらに進む

アップデートされない夫婦間の性生活を要約すると、こういうことです。

・惰性のマンネリセックス
・自己中の俺様セックス
・片側だけ置いてけぼりセックス 
・痛いのガマンセックス
・ED放置の中途半端セックス
・義務感だけのインスタントセックス 

低レベルな営みを続ける理由はなく、大多数の夫婦はセックスレスになっていきます。

「性生活への意欲はある」が、「性生活をアップデートできない」。この二つのデータが、夫婦のコミュニケーションが苦手な日本人のセックスレス問題の解決の難しさを示しているようです。

<参考>
・「月刊TENGA第40号」(株式会社TENGA)

三松 真由美プロフィール

男女関係に悩む1万3000名の女性会員が集うコミュニティを展開。セックスレス・ED・女性性機能に詳しく、性を通して男女関係を円滑にするメソッドを考案。講演、メディア出演、著書多数の恋愛・夫婦仲コメンテーター。執筆家。
(文:三松 真由美(夫婦関係ガイド))

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