【ヘルシンキ=竹本穂乃加】ショートプログラム(SP)首位の吉田陽菜(19=木下アカデミー)が、フリー2位の131・59点、合計199・46点で優勝し、ファイナル(12月5〜8日、フランス・グルノーブル)進出が決定した。
落ち着いた演技で首位の座を守った。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は転倒したが、すぐに切り替え。「確実に。もう失敗は許されない」。頭の中で反すうさせ、後半のルッツ−トーループの連続3回転でセカンドジャンプを2回転に落として着実に得点した。その判断は「正解かはわからない」が、SP4位から巻き返しを図る松生理乃(20=中京大)を0・26点差で振り切った。
「ギリギリ優勝することができて、複雑な気持ちではあるけど素直に喜びたい」。松生のタイムオーバーがなければ逆転されていたと考えると手放しでは喜べないが「最後まで諦めなかったご褒美かな」と受け止めた。
昨季、国際大会でのシニアデビュー。1年目から初のGPファイナルや世界選手権を経験し、「気づいたら試合が終わっていた」ジュニア時代からの精神的な成長も果たした。
世界と渡り合える自信を身につけて26年ミラノオリンピック(五輪)も視野に入れる中、今季テーマに据えているのは表現力アップ。フリー「苦悩する地球人からのSOS」も、徐々に解釈が深まりつつある。滑り始めた当初の「そのときの感情を素直に出す」をベースに、今は「居場所を探してるというか。自分の殻を破るというか」とプログラムの中にオリジナルのストーリーを作り出し、全身で表現。コーチとも話し合い、印象的なプログラムに奥行きを演出している。
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第2戦スケートカナダ銅メダルの結果と合わせて、2季連続のファイナル進出を決めた19歳。「2戦とも悔しい気持ち。出し切ったって思えるように終わりたいのと、全日本につながる試合にしたい」。
歯がゆい思いはもうしない。
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