<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第5戦フィンランド大会>◇16日◇ヘルシンキ◇女子フリー
【ヘルシンキ17日=竹本穂乃加】フィギュアスケートGPフィンランド大会の女子でGP通算2勝目を挙げた吉田陽菜(19=木下アカデミー)が一夜明け取材に応じ、自身2度目のファイナル(12月5〜8日、フランス・グルノーブル)へ意気込んだ。
フリー131・59点、合計199・46点で2位の松生理乃(中京大)を0・26点差で上回ったが、納得感はない。こだわりの大技トリプルアクセルとともに、大舞台での好演を目指す。
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優勝も、吉田に満足の色はない。「僅差の戦いを勝てたのは大きかったけど、悔しい」。松生のタイムオーバーによる1点減点に救われる形で逃げ切り勝ち。師事する浜田コーチから「神様は陽菜の味方だったね」と連絡を受け、自身でも「運で勝ち取ったファイナル」と複雑な心境だった。「もっとできる」。大きな目を見開いた。
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12歳でトリプルアクセル(3回転半)を決めた吉田は、常に大技への期待を受けてきた。競技に詳しくない友人からも「跳べるの?」と聞かれる。自身も、挑み始めた18−19年シーズンからこだわる姿勢は変わらない。
16日のフリーでは転倒したものの「やめる選択肢はなかった」。ファイナル進出がかかる場面でも、迷いはない。「浅田真央さんみたいな選手になりたくて」。浅田さんは、シニア転向後に51度失敗しながらも、89度挑んだ。跳び続けることに意味がある。大舞台での成功を目指し、ミスしてもほかで補える準備を重ねてきた。
今春から同大に進学し、大技との向き合い方も変化している。これまでの感覚重視から、分析型に。自身の映像を見返し、試合前には今年9月のネーベルホルン杯の「気持ちいい」3回転半を繰り返し見て、イメージトレーニングを欠かさない。
2季連続での進出を決めたファイナルでも、挑む予定。成功はもちろん「出し切った」と思える演技が目標だ。「もう運を使い果たした」。次の舞台へ“自力”でタイトルを取りに行く。
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