ロッテ・山本大斗、ファームで本塁打と打点の二冠王 栗原コーチ「8月くらいから徐々に形になってきた」

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2024年11月18日 09:24  ベースボールキング

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ロッテの山本大斗[撮影=岩下雄太]
◆ ファームで本塁打を量産するも…

 ロッテの山本大斗は高卒4年目の今季、ファームで本塁打(19本)、打点(66)のイースタン二冠王に輝いた。

 山本は昨年のオフは逆方向に強く振ることをテーマにやってきたが、24年に向けたオフは「リハビリが多かった。まずは感覚を取り戻すのと、下半身を使って練習する、打撃をするというのを戻していました」と、昨年10月12日に手術した右足のリハビリがメインだったとのこと。

 石垣島春季キャンプ中の取材で山本は今季に向けて、「他より目立たないといけないと思うので、ホームラン、長打、必要なところで打てる打撃をアピールしていって、一軍でそれを発揮したい。とにかく3年間ファームなので一軍でプレーすることにこだわって、一軍でプレーするだけです」と一軍でプレーする強い思いを口にしていたが、2月の練習試合、3月のオープン戦と一軍での実戦の出場はなく、開幕は二軍スタート。

 ファームでは開幕10試合で3本塁打を放ち、「ホームランは10試合ぐらいで3本出ているので悪くないのかなと思います」と話し一軍昇格に向けまずまずのスタートを切った。4月は同月23日の楽天二軍戦でレフトポール際にサヨナラ本塁打を放つなど、4月終了時点で6本塁打、18打点をマークしたが、5月は月間打率.191、0本塁打、7打点と下降した。確実性という部分が課題だった。

 それでも6月は22日の西武二軍戦、平井克典から「サイドとか苦手だったんですけど、しっかり待つことができていい形でホームランにできている。やっていることがちょくちょくいい感じで出ているのかなと思いました」とレフトスタンドに一発を放てば、 6月25日の楽天二軍戦、荘司康誠が投じた外角のストレートを逆らわずにライトへ放った本塁打も良かった。山本本人も「広い球場なんですけど、逆方向にホームランが打てたことが自分にも広角にホームランを打てる力があるとわかったので、ホームランを狙わなくてもホームランを打てるんだというところが確認できたので良かったです」と納得の一発。

 7月18日時点でイースタントップの11本塁打、45打点をマークしていたが、「ずっと出させてもらっていて、自分の長所はそこなので特にあまり、何も思っていないです」と全く満足していなかった。


◆ タイミングの取り方を工夫

 この時期の山本の打撃を見ると、左足を大きく上げて打っており、タイミングの取り方が変わった。本人も「最近、サブローさんと打撃コーチと相談して、打ちにいく中で見極める練習をしていて、左足の使い方、タイミングの取り方を練習しています」と明かす。

 「今はいい感じにできるようになってきています。バッティングはそこで良くなったというか、それができるようになって少し状態が上がってきたかなと感じます」と手応えを掴んだ。

 “左足の使い方”、“タイミング”、“ボールの見極め”という部分が一軍昇格するために、山本自身が課していることなのだろうかーー。

 「そうですね、見極めの部分だと思っているので。そこができるようになったら、ファームでも自然と結果が出てくると思います。しっかりその練習をしていきたいと思います」。


◆ 一軍へ向け準備

 開幕から一軍昇格のチャンスがなかった中で、一軍の試合は「試合の流れ、例えばこういう攻め方もあるんだなとか、一軍のピッチャーは一軍で全然対戦したことがないので、そのピッチャーの情報、いつ対戦してもいいように見てはいます」と、ただなんとなく見ているのではなく、一軍から声がかかってもすぐに対応できるようにするため情報を得ていた。

 「ホームラン、打点とかもそうですけど、長打を打ってランナーを返したり、もっと自分がファームでずば抜けた結果を出して、そうしたら一軍の首脳陣の目にもとまる。そういったところでアピールしていきたいと思います」と、いつ一軍から声がかかってもいいように準備をしていた。

 8月4日に今季初めて一軍昇格を果たした。同日のオリックス戦に『6番・左翼』で先発出場するも4打数0安打。続く8月6日のソフトバンク戦で『7番・左翼』でスタメン出場も4打数0安打2三振。『8番・左翼』で先発出場した7日のソフトバンク戦で、4−2の6回二死一塁の第3打席、杉山一樹が2ボール1ストライクから投じた4球目のストレートをレフトへ弾き返す二塁打で、プロ入り初の長打。昇格後初めてスコアボードに“H”を灯したが、翌日再びファーム行きとなった。


◆ 8月以降は確実性がアップ

 ファームに降格してから山本は打ちまくった。「8月は自分がやろうとしてきたことを打席で体現して理想としている形で打てる事が多かったと思います。それが結果につながったと思います」と、8月はファームで14試合に出場して、月間打率.415、4本塁打、12打点で8月度のスカパー!ファーム月間MVP賞を受賞した。

 9月も7日のDeNA二軍戦から15日のヤクルト二軍戦にかけて7試合連続安打、11日の日本ハム二軍戦では1試合に2本塁打。9月7日のDeNA二軍戦で、三嶋一輝が投じた変化球に体勢を崩されながらも、「左足の使い方で1つ待てたというか、いつもだったらあそこは空振りしているんですけど、しっかり待てて粘ってホームランができたので、自分でもしっかり使えていたなと思います」とレフトへ本塁打。

 11日の日本ハム戦では宮内春輝が投じた外角のスライダーを「バッティング練習とかでも、体が開きやすいのがあるので、逆方向に打っています。試合もそれくらいで行ったらちょうどいい感じなので、しっかり逆方向の意識で入ってはいます」と、ライトスタンドに放り込んだ。

 「1回抹消されてからは率を残すこと、率を上げることを特に頑張ったといいますか、しっかり打率を残す部分を意識していました。そこはできて良かったかなと思います」と、8月8日に一軍登録抹消されてから9月16日まで、打率.390(82−32)、7本塁打、18打点としっかり打率を残した。チームは楽天とクライマックスシリーズ進出を激しく争っていた中で、山本は9月17日に再昇格。

 「ファームでできていた打撃がもうちょっとできればいいなと思っているんですけど、今チームがこういう状況ですし、スタメンで出ている以上は起爆剤になれたら、もっとバッティングで勢い付けられるくらいのバッティングをしたいと思っています」と、再昇格後2試合目となった9月18日の楽天戦でレフト前に安打を放ったが、9月20日に一軍登録を抹消され、その後は一軍昇格することなく4年目のシーズンを終えた。


◆ 栗原コーチが見た山本大斗

 今季ファームで打撃コーチを務め、来季から一軍打撃コーチとなった栗原健太コーチは山本の打撃について「彼も7月くらいからですかね、見るタイミングというのを少しサブロー監督、堀コーチと話をして、ちょっとアプローチしてそれが8月くらいから徐々に形になってきた感じですかね。それで結果も出始めたという感じですね」と分析。7月終了時点でファームの打率.240だったが、8、9月のファーム打率は.377(114−43)を記録し、最終的には打率.279でシーズンを終えた。

 山本の打撃を見ると、一軍では外角の変化球に空振りをしたり、一軍のストレートに対応できていない印象を受けた。栗原コーチは「僕もそうでしたけど、二軍から一軍にあがって結果を出したい気持ちがある中で、二軍のように(打席が)立てればいいんでしょうけど、結果を出したいという気持ちが勝ってしまって焦り、二軍の時のようにいかないでしょうから、その辺は彼の場合は我慢して使えば、いいものがどんどん出てくると思うんですけど、はい」と自身の経験を踏まえて語った。

 山本は11月7日からは「オフシーズンから取り組んでいるタイミングの取り方や見極めの部分をしっかり完成させて、来シーズンに繋げられるように成長して日本に戻ってきます」と、大谷輝龍、吉川悠斗、寺地隆成、松石信八とともにオーストラリアで行われているウインターリーグに参戦し技術向上を図る。ロッテの外野手はレギュラー争いが熾烈だが、そこにドラフト1位・西川史礁(青山学院大)も加わった。西川と山本は同じ右投げ右打ちの外野手で、同学年の選手だ。山本はファームで結果を残しており、あとは一軍で結果を残すだけ。とにかく来季は与えられた出場機会で、一発で応えられるような打撃を披露したい。

▼ 山本大斗今季成績
一軍:5試 率.111 本0 点0
二軍:110試 率.279 本19 点66

取材・文=岩下雄太

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  • 結果が全てのプロ野球。常勝軍団化なんだろ?ロッテに「ビックマウス」は必要ない。既に1人、山口航輝ってのが居る。あと、ベーキンには「無駄」しかない五流記者が居る。
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