山梨県は、新交通システム「富士トラム(仮称)」を発表した。
次世代型路面電車(LRT)を使った「富士山登山鉄道構想」での鉄軌道を断念するもので、レールが不要のゴムタイヤ式新交通システムを展開する。グリーン水素を動力源として、環境負荷も軽減する。磁気マーカーや白線による誘導方式を導入し軌道とすることで軌道法が適用され、富士スバルラインへの一般車両の進入を規制することで来訪者コントロールが可能になるほか、道路に鉄軌道を敷設する大規模な工事を行う必要はなく、メンテナンスが軽微で、大幅なコストダウンが見込める。
「富士トラム」は、富士山の課題とされている五合目の来訪者コントロールに留まらず、山梨県鳴沢村から山中湖村に広がる6市町村の富士北麓エリア、富士山とリニア新駅「山梨県駅」を直結し、リニアの停車本数の増加を目指す。将来的に県内各地への二次交通網を構築することにより、県民の生活の向上、観光客誘致の促進や地域経済の活性化も期待できるという。