現地18日(日本時間19日午前)にメジャーリーグの新人王が発表される。
今季15勝を挙げた今永昇太(カブス)は残念ながら選外となったが、これまで日本人選手では、野茂英雄(1995年)、佐々木主浩(2000年)、イチロー(2001年)の3氏に加えて、大谷翔平(2017年)が受賞している。
すでにア・ナ両リーグとも最終候補3選手ずつが発表されていて、どの2人が生涯一度のチャンスをモノにするかに注目が集まる。
ア・リーグは、外野手のコルトン・カウザー(オリオールズ)と右腕ルイス・ヒル、捕手のオースティン・ウェルズ(ともにヤンキース)の3選手による争い。
カウザーは24本塁打を放ったパワーが光るが、打率は.242と見栄えしない。それは捕手ながら13本塁打を放ったウェルズも同じ。こちらは打率.229とさらに低く、守備における貢献度も高くない。
ずばり最有力は15勝7敗、防御率3.50の成績を残したヒルだろう。惜しくも規定投球回数には達しなかったが、被打率.189と奪三振率10.15は見事のひとこと。ちなみに25試合以上に先発して、被打率1割台、奪三振率10.0以上の成績を残した新人王有資格投手はリーグ史上5人目だった。
一方のナ・リーグも野手2人と投手1人という同じ構図の争いとなったが、やはり右腕の受賞が濃厚だ。大本命はポール・スキーンズ(パイレーツ)である。
2023年ドラフトの全体1位で指名されたスキーンズは、ドラフトから1年も経たない今年5月にメジャーへ昇格。デビュー2戦目で11三振を奪う好投を見せ勝利投手になると、最後までローテーションを守り抜いた。結局、23試合に先発し、11勝3敗、防御率1.96と文句なしの成績を残し、かなり早い時期に新人王の当確ランプを灯らせていた。
ただ、ジャクソン・メリル(パドレス)にも1位票が入る可能性がある。走攻守三拍子そろった左打ちの外野手は、開幕スタメンの座を勝ち取ると、そのままレギュラーに定着。156試合に出場し、リーグ5位の打率.292に加えて、24本塁打16盗塁と、上々の数字を並べた。
もう一人のジャクソン・チョウリオ(ブルワーズ)は、打率こそ.275とやや見劣りするが、21本塁打22盗塁をマーク。ポストシーズンでも一発を放つなど、将来性の高さを感じさせた。
もし順当に本命の右腕2人が新人王に選ばれれば、ヤンキースの選手として17年のアーロン・ジャッジ以来、7年ぶり。パイレーツの選手としては、04年のジェーソン・ベイ以来、20年ぶりとなる。
ちなみに既存の30球団で、最も新人王から遠ざかっているのはパドレスだ。
最後にパドレスの選手が新人王の栄誉を授かったのは、捕手のベニト・サンティアゴで1987年。実に37年も前のことである。メリルにはサンティアゴ以来の受賞も期待されているが、果たしてどうか。
発表は日本時間19日の午前8時を予定している。
文=八木遊(やぎ・ゆう)