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11月17日投開票の兵庫県知事選で、再選を果たした前知事の斎藤元彦氏(47)。一騎打ちとなった元尼崎市長・稲村和美氏(52)に14万票近くの差を付けて圧勝し、当初の予想を大きく覆した結果となった。
斎藤氏の内部告発文書問題に端を発した今回の選挙。調査特別委員会(百条委員会)が設置されるも、斎藤氏のパワハラ疑惑などを告発した元県西播磨県民局長の男性が急逝。さらに斎藤氏を支えてきた片山安孝副知事(当時)も辞職するなど、県政は混迷を極めた。
9月に県議会で全会一致の不信任決議を受けた斎藤氏は、自動失職した後に県民に信を問うべく出直し選挙に挑んだのだった。
「過去最多の7人が出馬した今回の知事選で、斎藤氏は苦戦を強いられると見られていました。しかしSNSを活用した選挙戦が功を奏し、若者を中心に支持が拡大。Xでは稲村氏のフォロワーが1.5万人に対して、斎藤氏のフォロワーは21.8万人と拡散力でも差がつきました。斎藤氏を支持する声が高まるにつれ、日ごとに街頭演説を聞こうと足を運ぶ聴衆も増加。投票率は前回選を大きく上回る55.65%に達し、JNNの出口調査では30代までの有権者の6割以上が斎藤氏に投票したといいます」(社会部記者)
斎藤氏の返り咲きに賛否が巻き起こるいっぽう、稲村陣営の“敗因の1つ”として指摘されていることが――。それは、稲村氏を支持した同県相生市長・谷口芳紀氏(75)の“机叩き”だ。
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発端は兵庫県市長会の有志22名が選挙期間中の14日に、稲村氏を支持する異例の声明を出したこと。このうち7名が同日に会見を開いたが、会見に出席した谷口氏の振る舞いが批判を集めたのだ。
谷口氏は「悪いやつを兵庫県から追い出して、新しい風を入れる人は誰や言うたら、稲村や!」と声を荒げ、机をバンッとひと叩き。さらに「私は少なくとも、県知事として資格がないんじゃないかと」と斎藤氏を批判すると、「こう思っておりますわ!」と再び机を叩いた。ヒートアップした谷口氏は「何が悪い!」とまたも机を叩き、「以上です!」と締めくくっていた。
谷口氏が机を叩いた際、背後に座っていた女性の肩がビクッと反応する場面もあった。この様子を収めた映像は瞬く間にXで拡散し、情報番組でも紹介された。いっぽう斎藤氏が再選したことを受けて、Xでは“谷口氏が稲村氏の足を引っ張った”と批判する声が噴出している。
《相生市長が稲村候補の足引っ張ったのは間違いなし》
《この映像見て、他の21人はこう思ったやろな 「いらんことしてくれやがったな」と 逆効果やおじいちゃん》
《22市長の連名文書と相生市長のコレが無ければ選挙結果が変わってた可能性はかなりあると思います。稲村氏サイドからすると相生市長は大戦犯でしょう》
稲村氏の敗北をめぐって、“戦犯”との声も出ている谷口氏。ある地元紙記者はこう語る。
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「相生市出身の谷口市長は慶應義塾大学法学部を卒業後、衆院議員秘書を経て’00年の市長選で初当選。今年5月の選挙では立候補していた新人2名が告示日に辞退する珍事が発生し、谷口氏は6回連続で無投票当選を果たしたのです。昨年7月には毎日新聞で所得が4127万円とも報じられ、兵庫県市長のなかで最も多かったといいます。
いっぽう市長22名が連名で稲村氏を支持することに対して、“権力の乱用”と指摘する有識者もいます。なぜ稲村氏を支持するのか、選挙期間中に声明を出したのか、納得できなかったという有権者も少なくなかったようです。
今回の兵庫県知事選に出馬したNHKから国民を守る党の立花孝志氏(57)も、谷口氏の“机叩き”には『逆効果』と苦言を呈していました。斎藤氏がSNSを駆使して支持者を獲得しただけに、ベテラン市長の谷口氏が感情剝き出しで斎藤氏を批判した映像が拡散してしまったことは、結果的に稲村氏のイメージダウンにつながってしまった可能性は大いにあると思います」
投開票直後、「何を信じるのか、どのような情報に基づいて投票行動を決めるのかというところについて、正直課題が残った選挙戦ではあったのではないかと率直に感じます」とコメントしていた稲村氏。自らを支持したものの、感情的な言動が批判を浴びた“味方”についてはどう受け止めているだろうか。
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