昨年のジャパンカップ週に行われた京都芝1800mの新馬戦を勝ったのが、スワーヴリチャード産駒のサブマリーナ(栗東・庄野靖志厩舎)。神戸新聞杯を取り消したことなどもあり、3歳クラシックには間に合わなかったが、2勝クラスの清滝特別を勝ち、京都競馬場は4戦3勝という成績。唯一負けたレースの勝ち馬は毎日杯、神戸新聞杯の勝ち馬メイショウタバル(栗東・石橋守厩舎)なのだから、今後が楽しみな存在。
何十年も前なら、2歳11月、12月デビューでもクラシックに間に合うという感じだったが、近年は少し様相が変わっている。ただ、サブマリーナの新馬戦で2着だったメイクユーマイン(栗東・田中克典厩舎)も未勝利、1勝クラスと連勝していて、古馬になってからの活躍が楽しみ。今年はどんなタイプの馬がデビューするだろうか。
【11月23日(土) 京都芝1600m】
◆アークシャルダーム(牝、父ブリックスアンドモルタル、母カルティカ、栗東・友道康夫厩舎)
半兄に2022年菊花賞でGIを制したアスクビクターモア(父ディープインパクト)がいる。ブリックスアンドモルタル産駒は先日のJBCレディスクラシックでアンモシエラが佐賀ダート1860mのJpnIを制覇している。
本馬は9月26日にゲート試験を合格して、リフレッシュのために一旦放牧。栗東へ戻ってきてからは順調に追い切りを消化しており、CWでの1週前追い切りにはレースで騎乗予定の川田将雅騎手が跨って3頭併せ。最後方から追走して新馬ショウヘイには遅れてしまったが、古馬2勝クラスには先着。6F84.8秒と全体時計は遅かったが、ラスト1Fは11.4秒だった。アスクビクターモアに似て、頭を低くして走る走法だが、力強さなどはまだこれからといった感じ。スピードはありそうなタイプなので、まずは初戦がどんな走りになるか楽しみだ。
【11月23日(土) 京都ダート1800m】
◆ヤエギリ(牝、父Gun Runner、母Nokaze、栗東・福永祐一厩舎)
半兄に2020年東海Sを勝ったエアアルマス(父マジェスティックウォリアー)や芝で6勝を挙げているエアファンディタ(父ハットトリック)がいる。「エア」の冠名で分かるように、兄は馬主はラッキーフィールドだが、本馬もエアの冠名はつかないものの、馬主はラッキーフィールド。
本馬は7月19日にゲート試験を合格。一旦放牧を挟んだ後、10月に入ってからCW中心に追い切りを消化。11月13日のCWでの1週前追い切りは松山弘平騎手が跨って、古馬2勝クラスを追走。ゴールではきっちり同入に持ち込んでおり、時計は6F82.1秒をマーク。追い切るごとに動きが良くなっているという印象はある。
【11月24日(日) 京都ダート1400m】
◆クールロジック(牡、父ナダル、母フェザーレイ、栗東・松下武士厩舎)
母系には2023年京王杯スプリングCを制したレッドモンレーヴ(父ロードカナロア)や2021年ローズSを制したアンドヴァラナウト(父キングカメハメハ)などがいる血統。ナダル産駒は今年の新種牡馬だが、メルキオル、クァンタムウェーブ、プロミストジーンがダートの1勝クラスを勝ち上がっている。
本馬は2023年北海道サマーセール1歳にて、950万円(税抜き)で落札されている。ゲート試験合格後にリフレッシュ放牧に出されて、再入厩後は坂路での追い切りを消化。11月13日の坂路では4F52.6秒、2F25.1秒、1F12.5秒をマークしている。追い切り本数は少ないものの、スピードある動きを見せている。
【11月24日(日) 京都芝2000m】
◆レーゼドラマ(牝、父キズナ、母シアードラマ、栗東・辻野泰之厩舎)
全姉ルージュアベリアは新潟ダート1800mで未勝利、1勝クラスを連勝。半姉ピクシレーション(父ハーツクライ)は新潟芝2000mの1勝クラスを勝っており、姉たちが先月勝ち上がりの活躍を見せている。
本馬は7月18日にゲート試験を合格。その後、牧場で調整を進めて、栗東へ再入厩してからは坂路とCWを併用して、しっかりと乗り込まれている。11月13日には坂路で追い切って、4F55.1秒をマーク。時計は地味でも併せ馬は古馬2勝クラスを追走して先着しており、追われるごとに動きが良化している印象がある。
(取材・文:井内利彰)