“6歳秋”にしてGI初制覇 ソウルラッシュが成長を続ける理由は血統背景にあり

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2024年11月18日 20:00  netkeiba

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マイルCSを制したソウルラッシュ(c)netkeiba
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るマイルCS

【Pick Up】ソウルラッシュ:1着

 6歳秋にして念願のGI初制覇を果たしました。重賞は4勝目。距離はすべて1600mです。

 父ルーラーシップは基本的にはスタミナ寄りの血で、デビュー当初はキセキ(菊花賞)、メールドグラース(コーフィールドC)、リオンリオン(青葉賞、セントライト記念)、ダンビュライト(京都記念)、ムイトオブリガード(アルゼンチン共和国杯)といった中長距離タイプが目につきました。2021年までの芝重賞の平均勝ち距離は2121mです。しかし、それ以降はスピードタイプが目立つようになり、2022年から現在までの芝重賞の平均勝ち距離は1739mです。初期の産駒傾向を見て、生産者がスピード寄りの繁殖牝馬を用意するようになり、結果的にマイラーが増えてきたのではないでしょうか。

 母エターナルブーケはヒラボクディープ(青葉賞)の4分の3妹で、現役時代は未勝利に終わったものの、繁殖牝馬として成功。現5歳のディオ(父リオンディーズ)は今年の関屋記念で2着と健闘しました。下河辺牧場はストームキャットを高く評価し、かつてその血の入った繁殖牝馬を多く導入しました。2代母キャットアリはその1頭です。

 母の父マンハッタンカフェは、タスティエーラ、テーオーケインズ、メイショウハリオ、テーオーロイヤル、ペプチドナイル、セラフィックコール、ミスニューヨークなど、芝・ダートを問わず多くの活躍馬が出ています。2024年の総合ブルードメアサイアーランキングはディープインパクト、キングカメハメハに次ぐ第3位です。じわじわと成長し、高齢でも頑張るものが目に付きます。

◆血統で振り返る東スポ杯2歳S

【Pick Up】クロワデュノール:1着

 東スポ杯2歳Sを勝って2戦2勝としたキタサンブラック産駒といえば、イクイノックスを思い出します。同産駒の東京芝1800mの成績は連対率35.4%と破格です。

 キタサンブラックの2歳世代は、クロワデュノールのほかに、サトノカルナバル(函館2歳S)、ピコチャンブラック(アイビーS-2着)、エコロディノス(新馬)などが出ており、産駒のデキの良さが目立ちます。ただ、JRAの2歳種牡馬ランキングは第8位。この地位に甘んじているのは、出走頭数が32頭と少ないからです。1位キズナは60頭、2位エピファネイアは79頭、3位モーリスは56頭。それらと比較すると明らかに少なく、ランキング上位10頭のなかで最少です。

 現2歳の血統登録頭数はわずか70頭。これでは稼働頭数が少ないのも致し方ありません。ただ、ひとつ下の世代は、イクイノックスをはじめとする初年度産駒の活躍を見ながら種付けシーズンを迎えたので、種付け頭数と繁殖牝馬の質が大幅にアップし、血統登録頭数は倍近い133頭に増えています。産駒が大活躍するのは間違いないでしょう。

 母ライジングクロスは、イギリスで芝14ハロン143ヤードのG2パークヒルSを勝ったほか、英オークス2着、愛オークス3着などの成績を残したスタミナタイプ。クロワデュノールの前に、オークス4着馬アースライズを産んでいます。アースライズは土曜東京9Rの南部特別(2勝クラス・東京芝2400m)を勝ったラスカンブレスの母でもあります。

 クロワデュノールはスタミナと底力にあふれる本格派で、距離延長は歓迎。東京芝2400mはぴったりです。

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