藤木直人、文田健一郎選手、高見侑里
文田選手は、1995年生まれ山梨県出身の28歳。中学生の頃から本格的にレスリングをはじめ、父が指導者をつとめる韮崎工業高校に進学すると、史上初のグレコ高校8冠を達成。日本体育大学に進学後も世界選手権で優勝するなど活躍し、初オリンピック出場となった東京五輪では銀メダル、そして、今夏に開催されたパリ五輪では悲願の金メダルを獲得しました。
◆東京五輪での悔しさから…
藤木:パリ五輪での金メダル獲得おめでとうございます!
文田:ありがとうございます!
藤木:東京五輪で悔しい思いをしてから(パリ五輪まで)の3年間、どういう部分を強化しようと思って取り組まれたのですか?
文田:“たりないものは何だったのか?”とすごく考えました。“決勝まで進んで勝ち切れなかった”ということは、たまたま決勝まで(強い選手と)当たらなかったから銀メダルだったけれど、組み合わせ次第では1回戦で負ける可能性もあったなと思って。
また、僕はグレコローマンスタイルの魅力でもある“投げ技”が得意なので、東京五輪では“投げ技を出して、俺がグレコローマンの魅力を伝える!”みたいな気持ちで挑んだんですけど、その“魅力を伝える”という考え方をやめて、徹底して勝ちにこだわるスタイルで戦おうと。
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◆「すごく大切なメダルになりました」
藤木:パリ五輪の決勝戦では(ポイントを)先行しましたけれども、終盤まで僅差でした。どんなことを考えながら試合をされていましたか?
文田:終盤は、東京五輪の決勝戦のことを思い出していました。試合をしながら東京五輪のときの悔しさが湧き上がってきて、“魅力を伝える”とか“さらにポイントを重ねよう”とかも考えずに、観ていて面白くない試合と思われてもいいから、相手にポイントを許さずにしっかり守り切って“ 勝ち切ろう!”ということだけを考えました。
藤木:試合が終了して金メダルが確定した瞬間は、どんな気持ちでしたか?
文田:もっと喜んで涙を流したり、感情的になるかなと思っていたんですけど、その瞬間は本当に“ほっ”とした気持ちが大きかったというか……正しい表現か分かりませんが、自分のなかでの東京五輪が終わった気がして。
藤木:ようやく(3年前の悔しさに)区切りをつけることができたと。
文田:そうですね、やっと銀メダルを自分のものにできたというか……やっぱり悔しい結果だったし、銀メダルもできるだけ目のつかないところにしまっていたんですけど、これでやっと“あの悔しさがあったから、あの銀メダルがあったからパリで金メダルを獲れた”って思うことができたので。ずっと悔しかったし、見たくなかったぶん、今ではすごく愛着があるというか、すごく大切なメダルになりました。
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00〜10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
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