パワハラ疑惑などで失職し、出直し選挙で再選を果たした斎藤元彦氏。きょう再び兵庫県知事に就任しました。就任会見で語ったことは?
“職員・議員との関係”議会に影響は?兵庫県の斎藤元彦知事が1か月半ぶりに登庁しました。
斎藤元彦兵庫県知事(就任会見)
「確かに一部不適切な行為をしたということがあります。謙虚な心をさらに抱いて、1からスタートで仕事をさせていただきたい」
その一方で、今後のハードルも1つ考えられます。今年の9月に、不信任決議案がありました。全会一致で可決され失職したわけですが、今後の議会運営にどのような影響があるのかもポイントとなってきます。
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兵庫県・長瀬たけし県議
「(斎藤知事と)心から抱き合える日は来ないかもしれないけど、県民の生活が大切ですから、私情を捨てて(県政を)やることはお互いに必要」
さらに、百条委員会で斎藤知事を追及していた竹内英明氏は、「一身上の都合」として議員辞職をしていました。
これについて、百条委員会の上野委員によりますと、知事選中にインターネット上で暴力的な批判が拡散したことにより、「政治の道から退いてほしい」と竹内氏の妻が懇願したため、家族を守るために辞職をしたと明かしています。
ホラン千秋キャスター:
今後、県の職員であったり県議の皆さんと、かなり軋轢が多い形で離れて、また一緒にここから仕事をするということになりますが、うまくやっていけるのでしょうか?
前鳥取県知事 片山善博さん:
これは斎藤知事の姿勢次第だと思います。謙虚に丁寧にというのはいいと思うのですが、パワハラとかおねだりとか言われた中で、一番問題だったのは、公益通報をした職員を保護せず、一方的にいわば犯人探しのようなことをして、結果的に死に追いやってしまったという事実があるわけです。
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これについてどういう考えを持っているのか。選挙の後も、自分は間違っていなかったと言われてますが、それですと、当時と同じことがあったらまた同じような結果になるんですか、という話になってしまいます。そうなると、職員はもう物が言えなくなってしまいますよね。
そこを、本当に謙虚であれば、公益通報を保護できなかったことは、自分は間違っていたというところからスタートされないと、県職員との間の信頼関係は、取り結べないだろうと思います。
井上貴博キャスター:
斎藤知事が大きな民意を得ましたが、知事が今後、県議会とどう良い緊張感を持っていくのでしょうか。
百条委員会で議員が発言すると袋叩きにあうので、誰も意見しないとなると、百条委員会は機能しないかもしれないです。一方で、第三者委員会があるので、選挙の結果と第三者委員会からの最終報告とは別物なので、そこは冷静に見ていかなければいけないかなと思います。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
百条委員会も第三者委員会も、結果は出てないと思いますから、どのような結果になるのかっていうのを見ていかないといけないですね。
やはり、今回民意を得たことはもう選挙の結果で出ていますが、こっから県政を進めようと思ったら、議会の皆さんともやはり心を通わせなきゃいけないですし、その先にいる職員の皆さんとも協力していかないといけないので、その体制が本当にできるのかってところは疑問残りますよね。
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南波雅俊キャスター:
まさにそこが1つの大きなポイントになってきます。職員との関係性というところもハードルとしては考えられます。
斎藤元彦兵庫県知事
「民意を受けた立場でありますから、県職員のみなさんは知事部局としてしっかり一緒にやっていくことが地方公務員としての責務」
南波雅俊キャスター:
斎藤知事はこのような発言をしましたが、兵庫県庁職員に取材できた範囲だと、
「(再選は)非常に個人的には残念だと思います」
「(斎藤知事は)『変わる』と言ったけど、本当に変わるんだろうか」
といった疑問の声も上がっている事実はあります。
ホラン千秋キャスター:
謙虚な心で、本当に心を入れ替えてやるというのは、実際に見てみなくてはわからないわけですが、やはり百条委員会のメンバーの方が、すでにネット上でかなり暴力的な批判を受けて辞めざるを得ないなど、こういったことがある限りみんなが安心して働ける環境を整えるというのは、一朝一夕ではなかなかできないのかなという気がします。
前鳥取県知事 片山善博さん:
知事が本当に謙虚になって、「公益通報の問題は、私は間違っていた。だから今後は同じようなことがないようにするので、皆さん心置きなく言ってください」と言えるかどうかですよね。意思表明できるかどうかです。
逆に、それをされないと、もう皆さん何も言わなくなってしまいますよね。そうなってしまうと、本当は組織に主体性とか自発性とかが必要ですが、メンバーがみんな口を閉じてしまうと、県政は停滞してしまいます。そこが非常に、案じられます。
井上貴博キャスター:
改めて、県知事もやられた片山さんから見ても、あの公益通報に関しては、やはり知事に落ち度があったと思いますか?
前鳥取県知事 片山善博さん:
組織として、絶対あのようなことはやってはいけない。自分自身を批判されたときに、自分が乗り出していって、処分するなんてのは絶対やってはいけない。その段階で第三者に委ねて、客観的に調査してもらう必要があって、そこのスタートポイントを間違えてます。
南波雅俊キャスター:
県内の29の市長との関係もポイントとして考えられます。11月14日、県内29の市長でつくる市長会の有志22人が、前尼崎市長の稲村和美氏への支持を表明しました。この中の一部の市長の言動なども、今回話題にもなりました。
その中で11月17日、伊丹市・宝塚市・姫路市の市長が斎藤知事にあいさつ訪問をしています。その中でも、伊丹市の藤原保幸市長は…
伊丹市・藤原保幸市長
「知事と市長がギクシャクしたら、住民・県民・市民が迷惑する。伊丹市政の責任者として、できるだけ早く良い関係を築きたい」
南波雅俊キャスター:
11月25日に、まずは百条委員会の証人尋問ですが、これは全国知事会が東京であるので、斎藤知事は「欠席をする」と言っています。ただ、2025年3月頃にこの第三者委員会は、調査報告書を公表する予定だとしています。ここも1つの大きなポイントになるのではないかなと思われます。
井上貴博キャスター:
議会・市長との向き合い方、どういうふうに見ていかれますか?
前鳥取県知事 片山善博さん:
是々非々ですね。感情的なわだかまりはありますが、県民のためですから両者とも、県民のために政策によって是は是、非は非でやらないといけないと思います。
井上貴博キャスター:
この状況でそれはできるのでしょうか?
前鳥取県知事 片山善博さん:
県と市長は協力しないと駄目ですから。いつまでもそりが合わないと駄目ですよね。
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〈プロフィール〉
片山善博さん
前鳥取県知事
大正大学 地域構想研究所所長
2010年9月から翌年まで総務大臣を務める
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会に出場 3児の父
JOCアスリート委員長