バイクのクイズ 第25回 ヤマハの超有名スクーター「JOG」には“あだ名”があった?

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2024年11月20日 08:21  マイナビニュース

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● ゼロハン(50cc)スクーターの代名詞にもなったヤマハの「JOG」(ジョグ)。その初代モデルは1983年に登場して大ヒットしましたが、マニアの間ではおもしろい“あだ名”がついていました。さて、それはなんでしょうか?


ヒント:くちばしに特徴のある鳥の名前です



シャープに突き出たフロントカウルが何かの鳥に似ていませんか?



――正解は次のページで!● ○問題をおさらい!


正解はこちら!


○【答え】「ペリカンJOG」


正解は「ペリカンJOG」でした!



JOGはヤマハ発動機の50ccスクーターとして有名なブランドです。初代モデルは1983年に登場しました。ヤマハの大ヒットスクーターと言えば1977年に登場した「パッソル」も有名ですが、ファミリーバイクの印象が強かったパッソルに比べ、JOGはスポーティーなデザインと機敏な走りで爆発的なヒットを記録しました。



「ペリカン」というあだ名は、従来のスクーターでは別体式だったフロントフェンダーを排してフロントカウルと一体化したデザインに由来しています。現在まで続く歴代JOGの中でも、初代のカウルは“ペリカンのくちばし”のように鋭く突き出ていたため、次第にバイク乗りの間で「ペリカンJOG」というあだ名が広まっていったようです。

初代JOGのスポーティーなルックスは伊達ではなく、49kgと軽量な車体と4.5馬力の2ストロークエンジンの組み合わせは60km/hスケールのスピードメーターを振り切るほど。価格も10万円を切っていましたから、免許を取ったばかりの若者が飛びつかないはずはありません。



当時の1980年代は中型オートバイの「レーサーレプリカ」ブームが過熱していましたが、JOGは同時進行する形でライバルのホンダやスズキも巻き込んだゼロハン・スクーターブームを巻き起こし、ハイグリップタイヤのピレリ・ファントムとリアのガスショックを採用した特別モデルや、マイナーチェンジによるパワーアップも行われました。



その後もJOGはモデルチェンジを繰り返し、1980年代後半からはスクーターには必須となったシート下のヘルメット収納スペースはもちろん、ブレンボキャリパーを奢ったディスクブレーキや大型テールスポイラーを装備した「Z」や「ZR」というグレードのほか、排気量をアップさせた原付二種モデルもリリースしました。そのほか、エンジンとフレームを共有した「アプリオ」や「Vino」といった派生モデルも大成功をおさめています。



実はJOGが発売される直前のヤマハは、「HY戦争」と呼ばれるホンダとの激しいシェア争いの結果、200億円の赤字という大損失を出していました。HY戦争はパッソルのヒットが引き金になったとされていますが、その窮地を救ったのが終戦直後に誕生した初代JOGだったというわけです。



JOGはヤマハの中では一番小さなモデルですが、会社の大ピンチを救い、40年以上の歴史を持つ大きなブランドです。度重なる排ガス規制や大幅なシェア縮小に直面しても、かつてライバルだったホンダからエンジン供給を受けて存続させてきました。しかし、そのホンダも2025年5月には50ccの生産終了します。今後、原付(一種)免許で運転できるバイクは、パワーを制限した125ccの「新基準原付」になることが予想されています。



50ccのJOGは生産中止になりますが、それでも筆者は「JOG」の名前が消滅することはないと考えています。JOGは4スト化が進んだ2000年頃から海外で100cc版を展開しており、2022年からは国内でも「JOG125」の販売が始まりましたので、このモデルが「新基準原付」のベースになると思われます。仮に原付スクーターが電動化されたとしても、偉大で多くの人に愛されたJOGのブランドは残るのではないでしょうか?



それでは、次回をお楽しみに!



津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら(津原リョウ)

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