中国で相次ぐ無差別殺傷事件。いま、事件の背景として注目されているのが「三低三少」というワードです。一体どういうことなのでしょうか。
必死に逃げる子どもたち。きのう、湖南省常徳市の小学校前で車が次々と児童らをはねました。
「警察に通報しろ!」
拘束されたのは39歳の男で、動機は明らかになっていませんが、中国メディアは「故意に校内に突入しようとした」と報じています。
現場から聞こえてきたのは…
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「社会に不満なら政府に行きなさい!」
「(Q.若者が社会に報復したのか?)明らかに社会への報復だろう」
「社会への報復」。相次ぐ事件の背景には、経済格差や長引く経済不況による将来への不安などがあるといわれています。
北京市郊外にある中国北部最大ともいわれる日雇い労働者の街を訪ねると…
記者
「歩道から人があふれそうになっています。たくさんの人が街で仕事を探しているようです」
朝から仕事を探して多くの人が集まっていました。
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日雇い労働者
「特にいまはお金を稼ぐのが難しいです」
「今年は収入が減りました」
先月の都市部の失業率は5%。特に若者の失業率は17.1%に上るなど、深刻な社会問題になっています。
「社会への報復」という言葉、彼らはどう受け止めているのでしょうか?
日雇い労働者
「生活のプレッシャーや辛い現状に影響されたか、個人的な理由があったのかもしれません。理想と現実の違いに満足できなかったのでは」
記者
「相次ぐ事件を受け、中国では『三低三少』という言葉が注目されています」
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「三低三少」。「三低」は▼所得、▼社会的地位、▼社会的人望が低いこと。「三少」は▼人との付き合い、▼社会と触れ合う機会、▼不満を口にできる機会が少ないことを意味します。
香港メディアなどによりますと、地方政府はこうした人たちを「事件を起こす可能性がある人」として、重点的に探し出して、管理するよう指示しました。
「社会への報復」と呼ばれる事件が相次いでいるとして、感想を求められた中国外務省の報道官は…
中国外務省 林剣 報道官
「中国政府は常に、そして引き続き有効的な措置を講じ、全力をあげて人民の生命の安全と社会の安定を保障する」
しかし、相次ぐ事件に中国では「社会の底が抜けた」「模倣犯が次々と出るのでは」と不安の声が広がっています。