新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、広く導入が進んだ企業のテレワーク。昨今は、出社回帰のトレンドが顕著になっている。現在、ビジネスパーソンはテレワークについてどのような意識を持っているのか。業務管理などのシステム開発を手掛けるエフアンドエムネット(大阪府吹田市)が調査した。
【画像を見る】テレワーク実施頻度(エフアンドエムネット調べ)
●テレワークのメリットとデメリット
テレワークの実施頻度について、最も多かったのは「月に数回」で31.3%だった。「週に2日」は18.3%で、週に1〜2回程度テレワークを実施している人が約半数を占める結果となった。
企業の規模別にみると、従業員数が201〜300人の企業に勤めている人で最も多かったのは「毎日」だった。また、従業員数が30人以下の企業では「月に数回」が最多だったが、「毎日」との差はわずか1票にとどまった。テレワークの導入状況は企業規模に左右されないことが明らかになった。
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テレワークのメリットについて、1位は「通勤時間や移動時間の削減」で60.0%に上った。2位は「自由な時間で働ける」(12.7%)、3位は「仕事に集中しやすい」(8.7%)と続いた。半数以上が、通勤時間や移動時間がなくなることに魅力を感じていることが分かった。
一方で、テレワークのデメリットの1位は「運動不足になる」(18.3%)。2位は僅差で「オンオフの切り替えが難しい」(17.7%)が続いた。3位は「仕事とプライベート時間の境界線が曖昧(あいまい)になる」(14.7%)だった。
テレワークによって「ワークライフバランスが良くなった」とした人は72.3%に上った。また、家族やプライベートの時間が「増えた」とした人は73.0%だった。
「テレワークの方が効率が良い」とした人は46.0%だった。理由は「集中しやすいから」が最も多く45.7%。「作業が中断されることが減ったから」(26.1%)、「空いた時間で他の業務ができるから」(22.5%)と続いた。
一方で、テレワークの方が効率が悪いと感じる理由では「コミュニケーションが不足するから」(24.7%)、「オンオフの切り替えが難しいから」(24.7%)といった回答が上位となった。
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●「テレワーク手当」の支援制度はある?
テレワーク中のコミュニケーションについて「出社時と変わらなくコミュニケーションが取れている」とした人は、63.3%と半数を占めた。一方で「ややコミュニケーション不足を感じる」(19.0%)、「コミュニケーション不足を感じる」(13.7%)とした人を合わせて、3割以上がコミュニケーション不足を感じていることが分かった。
テレワーク中に最も利用頻度が高いコミュニケーションツールは、SlackやTeamsなどの「チャットツール」で40.7%。その他「メール」(25.0%)、ZoomやGoogle Meetなどの「Web会議システム」(18.7%)と続いた。
会社からテレワーク手当の支給はあるのか。支給が「ある」とした人は21.0%にとどまり、79.0%が支給は「ない」とした。また、テレワークを行う際の設備・環境についても「支援はない」とした人の方が多く、56.7%に上った。
テレワークの利用を拡大するために必要な改善については「書類の電子化(ペーパーレス化)」が最も多く、20.4%。その他「社内の打ち合わせや意思決定の仕方の改善」(18.3%)、「業務の進捗状況の確認や共有の仕方の改善」(15.0%)、「社内システムへのアクセス改善」(15.0%)が上位となった。
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調査は8月26日〜9月4日にインターネットで実施。10代以上の男女300人から回答を得た。
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