忙しい現代人。入浴もシャワーだけの時短になりがち。とはいえ、寒い冬や時間のある週末はバスタブにつかってゆっくりリラックスしたい……。
そんなお風呂事情の新しい選択肢として注目を集めているのが、LIXIL(リクシル)が11月26日から順次発売するバスルーム「bathtope(バストープ)」だ。最大の特徴は、なんといってもコンパクトにたためる「fabric bath(布製の浴槽)」であること。布製? ちゃんと入浴できて本当に心地よい? LIXILの施設で実際にbathtopeを体験してきた。
○ホテルのようなスタイリッシュデザイン
bathtopeを見てまず感じたのは、その高級感ある上質なデザイン。布製の浴槽と聞くとアウトドアギアのような一抹のチープさを思い浮かべがちだが、bathtopeはむしろ都会的で洗練された印象を演出できる。とくに、今回体験した「G」タイプは全面ガラス扉+間接照明を採用し、デザイナーズホテルのような雰囲気のバスルームだ。
実際の使い方も簡単。fabric bathの四隅にあるフープを、浴室の壁に4つあるフックにひっかるだけ。fabric bathはしなやかで軽いPET・ポリウレタン素材なので、女性の筆者でも軽々と設置できた。あとは浴槽底の栓を閉め、手持ちシャワーからお湯を出してお湯をためれば準備完了だ。
○普通のバスタブにはない“包まれ感”で長湯派も満足
bathtopeは、マンションや都会の住宅に多い0.75坪タイプのバスルームだ。一般的に0.75坪の浴室には100cm前後の浴槽が使われることが多く、大人が脚を伸ばしてゆったり入るにはちょっと小さい。一方、fabric bathは160cmタイプなので、大人でも比較的ゆったりと入れるサイズ感だ。
fabric bathに入浴してみると、ホールド性の高さに驚く。見た目はハンモックのようなのだが、底部分は床に接地しているため、お尻などがグラつくことがない。頭や首は布が包み込むように受け止めてくれ、身体がフラフラせず安定性があり、入浴中も安心感があった。お風呂で頭を安定させる「バスピロー」を使っている人もいると思うが、fabric bathならこういったアイテムも必要なくなるかもしれない。
○布製ならではの手軽な片付けも魅力のひとつ
入浴後は、一般的な浴槽と同じく浴槽底にある栓を抜いて排水。fabric bathは栓の真下に排水口が配置されているので、お風呂一杯分のお湯を排水しても浴室の床がほとんど濡れない点が個人的にポイントが高かった。
一般的な樹脂製の浴槽はカバー(エプロン)を外した内部が空洞になっており、徹底的に掃除をするのは難しいが、fabric bathなら文字通り布なので掃除もシンプル。清潔性が気になる人にとっても魅力的な製品といえそう。
今回体験したGタイプは、最初からfabric bathが2セット付属。さらに、fabric bathは別売りもされるので、気分にあわせて色を変えたり、汚れたfabric bathを交換したりといった樹脂製浴槽ではできない使い方が色々と考えられる。
自分で体験するまで、筆者はbathtopeを「0.75坪の狭いバスルームを効率的に使うためのシステム」だと思っていた。もちろんbathtopeにはそういった魅力もある。しかし、実際に体験してみると、湯船へのつかり心地のよさ、デザイン性、清潔性の高さなど、お風呂スペースを広く利用する以外にも多くのメリットを実感できた。
倉本春 くらもとはる 生活家電や美容家電、IoTガジェットなど、生活を便利にする製品が大好きな家電ライター。家電などを活用して、いかに生活の質をあげつつ、家事の手間をなくすかを研究するのが現在最大のテーマ。 この著者の記事一覧はこちら(倉本春)