部下の“手柄を横取り”して退職に追い込んだパワハラ上司…11年後に下された“天罰”

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2024年11月23日 09:01  日刊SPA!

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※画像はイメージです。以下同
 どの会社でもよく耳にする同僚による手柄の横取り。チーム単位で取り組む大きなプロジェクトや複数人で担当する案件の場合、たびたびそういったことが起きるが、横取りした相手は良くも悪くも狡猾な人物。
 上の人間に取り入ることに長けており、下手に騒いだところで自分が悪者扱いされかねず、結局泣き寝入りしたなんて経験を持つ者もいるだろう。

 また、さらにタチが悪いのは上司が横取りしたケース。同じ部署で毎日顔を合わせ、自分を査定する立場なので逆らうこともできない。前職が土産物などの銘菓を扱う地方の食品メーカーだった山岸秀男さん(仮名・45歳)も当時の直属の上司である課長に手柄を横取りされたことがあるという。

◆2人の共同企画だったはずなのに上司1人の企画になっていた

「31歳のとき、販促部門に配属され、私が提案した販促キャンペーンのアイデアを課長がすごく評価してくれたんです。それまで製造部門だった畑違いの私のことを何かと気にかけてくれ、『この企画案、ちょっと手を加えて2人の連名という形で上に出してもいいか?』と言われました。

 世話になっていたからその時はOKしたのですが、正式に採用された時点では課長個人の企画案になっていて、自分の名前はどこにもありませんでした」

 このことについて上司からは詫びられ、「査定にはしっかり反映させる」と言ってくれたがボーナスの金額は特に変わらず。それどころか同様の手柄の横取りが繰り返され、上司に対する不信感はさらに強まっていく。

◆上司に不満を訴えたら嫌がらせの標的に

「さすがにおかしいと思い、課長に不満を訴えました。もちろん、ケンカ腰の態度などではなく『ちゃんと評価していただけないでしょうか』というお願いです。

 けど、それも含めて向こうにしてみれば気に食わなかったらしく、その後は残業しなければ処理できないほどの大量の仕事を押し付けられ、提出した報告書も細かく添削されて何度も書き直しさせられました。

 そんな不当な扱いに周りからも同情されましたが、課長は幹部連中からの覚えもよく、助けてくれる人はいませんでした。それで会社に訴えても無駄だと思い、33歳の時に退職したんです」

◆退職から11年後、結婚式で元上司と予期せぬ再会を果たしたが……

 新天地に活路を見出そうと転職したのは、電子部品を扱うまったく異業種の企業。その後はパワハラをしてきた元上司のことも忘れ、仕事に励んでいたら退社から11年が過ぎた昨年、とある結婚披露宴の席で再会を果たしてしまう。

 転職後に大変世話になった現在の職場の専務の娘が結婚することになり、山岸さんは新婦側のゲスト。対する元上司は新郎側の親族だった。

「先に気づいたのは向こうで声をかけられてビックリしました。二度と会いたくない相手でしたからね。一応、当たり障りのない挨拶をしましたが、『突然辞めたから残念だったよ』や『で、今はどこに勤めてるの?』ってニヤニヤしながら言ってきました。

 明らかに人を見下した態度で内心ムカつきましたね。昔、私に大量の仕事を押し付けた時の表情と一緒でしたから」

 ちなみにこの時は披露宴開始前で会場の外のロビーで待機中。近くには新婦の父である専務もおり、出席者たちに挨拶していたが、ここで元上司と山岸さんの会話に突然加わってきたとか。

◆前職を辞めた経緯を知る今の上司がパワハラ課長に痛烈な一言

 専務が「貴方が噂の山岸君の元上司ですか!」と言うと、この様子に元上司は困惑。さらに「彼は素晴らしい企画を次々と提案してくれて我が社に欠かせない戦力になっていますよ。もちろん、企画を横取りするような真似はしませんけどね。ハッハッハ」といきなり爆弾を投下したのだ。

 これには先程までいやらしい笑みを浮かべていた元上司も一瞬で表情が凍り付いてしまう。明らかに自分に対する嫌味だと悟ったのか、「ほかの方にも挨拶しなければいけないので」とそそくさとその場を離れてしまったそうだ。

「結婚式の少し前まで専務は部長で、私が中途採用で入った時からの恩人。前の職場の辞めた経緯なども話しており、『許せない奴だな!』と私以上に怒っていました。だから、相手が問題の元上司であることにすぐ気づいたようです。

 普段はあんなこと絶対口にしない人なので私のために言ってくれたんでしょうね。『さすがにやりすぎたかな』と苦笑いしてましたが、私の代わりに積年の恨みを果たしてくれ、おかげでスッキリできました。後日、感謝の気持ちとしてお酒をご馳走しました(笑)」

 立場ある人物が取る態度ではないが、自分に代わってかつてのパワハラ上司にガツンと言う姿はまさに痛快。手柄を横取りされた恨みやつらみも一瞬で晴れたに違いない。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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