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2024年11月24日 06:11 ITmedia PC USER
うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、11月17日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
●Microsoft 365 CopilotがNPUによるローカル処理に対応
Microsoftは11月19日(現地時間)、年次イベント「Microsoft Ignite 2024」で、Microsoft 365 CopilotがNPUを使ったローカル処理に対応すると発表した。
対応するのは、Copilot+ PCで実行されるMicrosoft 365 Copilotのみだが、Copilot+ PCが搭載する40TOPS以上の演算能力を持つ統合NPUを利用し、AIモデルをローカルで実行できるようになる。
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これにより、OutlookやWordといったアプリでAIを使った文章ライティング支援などを使った際のタスクにおいて、クラウド処理の依存度が軽減されるとしている。これらは今後数カ月の間に提供される予定だ。
なお、Microsoft 365 Copilotを利用するには、Microsoft 365の法人または大企業向けプランが必要だ。個人の場合は月額3200円のCopilot Proサブスクリプションがある。
●「Google ドライブ」のArm版Windows 11ネイティブアプリ登場
Googleは11月19日(現地時間)、Google ドライブのデスクトップアプリがArm版Windows 11にネイティブ対応したと発表した。
今回リリースされたのは、まだβ版でバグが含まれている可能性があるため、本番環境での利用は非推奨となっている。
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必要要件としては、下記の2点が挙げられているが、通常は問題にならないだろう。
・Windows 10はサポートしていない
・Microsoft Web View2が必須となる。通常はWindows 11に含まれているが削除している場合はインストールする必要がある
●Windows向け「ChatGPT」の公式アプリ登場
OpenAIは11月15日(現地時間)、ChatGPTのWindows向け公式アプリをリリースした。macOS向けには6月にリリースしており、約5カ月遅れでの公開となった。
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アプリはMicrosoft Storeからダウンロードが可能だ。基本的にはWeb版の機能のままだが、アプリ版ならではの特徴として「Alt+Spaceキー」のショートカットでChatGPTを起動できる。このショートカットは、デフォルトではPowerToysのPowerToys Runなどとバッティングするが、ショートカットは設定メニューから変更可能だ。
●Windowsの「Recall」機能は既定で無効化に
Microsoftは11月19日(現地時間)、年次イベント「Microsoft Ignite 2024」でCopilot+ PCに搭載される「Recall」が既定では無効になると説明した。
Windows 11 24H2向けは「KB5046617」、Windows 11 23H2/22H2向けは「KB5046633 」、Windows 10(22H2/21H2向け)は「KB5046613」、Windows 10(1809向け)は「KB5046615」となる。
Recallは、Windows上の表示をスナップショットとして定期的に記録し、Copilotによって後から内容を探せるという機能だ。「前に画面上で見ていた白いスニーカーはどこのブランドか」といった場合に、表示していたタイミングの画面表示を見つけられるようになる。
当初、6月にInsider Preview向けとしてプレビュー公開される予定だったが、プライバシーに関する懸念が払拭されていないとして10月に延期。その後、11月にも再度延期していた。
Recallが既定で無効になるということは6月時点で発表されていたが、組織でRecallを使用する場合に安全で制御可能なエクスペリエンスが必要とのフィードバッグが寄せられたとのことで、改めてアナウンスされた。
加えて、組織で利用する場合には、IT部門が新しいポリシーを通じてこの機能を有効にしてから、従業員がオプトインできるようにするとのこと。また、追加のデータ暗号化レイヤーやWindows Hello保護などのセキュリティ強化も行われる。
●Microsoftが同社初の内製セキュリティチップ/DPUを発表
Microsoftは11月19日(現地時間)、年次イベント「Microsoft Ignite 2024」で同社初のセキュリティチップ「Azure Integrated HSM」と、Data Processing Unit(DPU)の「Azure Boost DPU」を発表した。
Azure Integrated HSMは、連邦情報処理標準(FIPS)140-3 レベル3要件を満たすように設計されたハードウェアセキュリティモジュール(HSM)だ。HSMアクセスに典型的なネットワークアクセスの遅延を発生させることなく、暗号化キーと署名キーをHSMの境界内で使用できるようにすることでキーの保護を強化するとしている。2025年以降、Microsoftデータセンターの全ての新規サーバにインストールされる。
Azure Boost DPUは、Azureインフラストラクチャ専用に構築されたデータ処理ユニット(DPU)だ。ネットワークエンジン、ストレージエンジン、データアクセラレータ、セキュリティ機能を1つのシリコンに統合することで、データ中心のワークロードを高速かつ低電力で処理可能になり、既存のCPUと比較して3分の1の消費電力と4倍のパフォーマンスでクラウドストレージワークロードを実行できると予想されている。
●Intelが「Xeon 6」シリーズ対応のメモリ「MRDIMM」を発表
Intelは11月15日(現地時間)、データセンター向けのIntel Xeon 6プロセッサが新たに対応した新メモリ「MRDIMM」(Multiplexed Rank DIMM)について解説する記事を公開した。
サーバ向けのプロセッサでは、処理コアの増加がメモリ帯域幅の増加を上回っており、コアあたりの利用可能なメモリ帯域幅が減少している。気象モデリング、数値流体力学、特定の種類のAIなどの高負荷コンピューティング作業ではボトルネックになっていたという。Intelは、このボトルネックを解消するため、業界パートナーと数年間の開発を進めていたとしている。
メモリモジュール(DIMM)には、複数のメモリチップが搭載されており、同時にアクセスできるグループごとにランク(Rank)として分けられている。ほとんどのDIMMには2つのランクがあり、それがパフォーマンスと容量のバランスが取れたスイートスポットとされている。RDIMM(Registered DIMM)は、複数のランクに独立してデータを保存/アクセスできるが、同時にアクセスすることはできなかった。
これに対して、新たに開発したMRDIMMでは、マルチプレクサ(mux)チップを追加することで、2つのタンクに同時並列でデータを保存/アクセスが可能になった。これにより、理論上は帯域幅が2倍になる。
なお、コネクターやフォームファクターはRDIMMと共通なので、マザーボードを変更する必要はないという。
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