ヨウヘイはしばらく部屋のなかをウロウロしたあと、義実家へ電話をかけました。すると義父は不在で、たまたま義実家に帰ってきていた義姉が電話に出たらしく……。ヨウヘイは義姉に助けを求めるかのように事情を話しはじめました。
義姉は隣の県に住んでいて、義実家にはほとんど顔を出さないと聞いています。私もあまり話したことはありません。ただヨウヘイの必死なお願いにも、義姉は冷静でした。すでに義母から、私と義父とのやりとりを聞いていたのかもしれません。
義父は自分の娘にまで男女差別をしていたのです。男の子は大学まで行かせるけれど、女の子に知恵はつけさせないだなんて。男尊女卑な義父とは思っていたけれど、ここまでとは……。ヨウヘイのそばで義姉の電話の内容を聞きながら、あいた口がふさがりません。大人になった義姉がほとんど義実家に帰ってこないのも当然です。
義姉に助けてもらうどころか、冷たく突き放されたヨウヘイ。自分の代わりに援助できないかという話もピシャリと断られ、ただただ絶句していたのでした。
【第3話】へ続く。
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