【AE86が電気自動車に!?】しかもマニュアル車! 学生ライターが謎のEVを取材

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2024年11月25日 08:10  マイナビニュース

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トヨタ自動車の過去の名車の中でも人気の高い「AE86」(カローラレビン)を電気自動車(EV)に改造するプロジェクトが進んでいるそうです! しかも、EVでは聞いたことのなりマニュアル(MT)車だというから驚きです。いったいどんなクルマなのか、取材してきました。


カーボンニュートラルは新車開発だけじゃない?



トヨタは2050年までにカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げています。温室効果ガスの排出削減に向け、新車開発ではハイブリッド車、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCEV)などさまざまな技術・車種の開発・投入に注力しています。



しかし、世の中に流通しているクルマは最新のものばかりではありません。壊れたら直しながら、昔のエンジン車に乗り続けているクルマ好きもたくさんいます。



そういった昔のクルマ(誰かの愛車)でもカーボンニュートラルを実現するには、どうしたらいいのか。その方法としてトヨタが提案しているのが、エンジンをモーターに交換してしまうことです。これを具体化したのが、今回取材した「AE86 BEV Concept」というクルマ。AE86のEV化を担当したエンジニアにいろいろと聞いてきました!


なぜEVにマニュアルトランスミッション?



――EVのモーターにマニュアルトランスミッション(MT)を組み合わせることは一般的ではないと思いますが、今回の駆動系を制作するにあたってのこだわりや、マニュアルEVならではの苦労はありましたか?



エンジニア:エンジンからモーターになることによって、今までと乗り味が変わってしまうのは、乗っているお客様にとって好ましくないことだと考えています。今までの乗り味を残しつつEV化することにこだわりました。



EV化した「AE86」は「マニュアルで走るたのしさ」が大きな魅力です。マニュアルのEVを作るにあたって特に大きな苦労というものはありませんでしたが、EV化する際にボディを改造したりしないで済むよう工夫しました。



もうひとつのこだわりとして、モーターの出力特性を調整し、もともと乗っていたエンジン車に近い出力特性にしました。トルクはアクセル開度とモーターの回転数によって決まるのですが、これを制御して、エンジンが載っていた時と同じような乗り味としました。モーターの制御をエンジンに近づけることによって、マニュアルならではの「上手くギアをつなげる楽しみ」を残しています。


――マニュアルEVの駆動系がなかなか想像できないのですが、具体的に、中身はどのようになっているのでしょうか?

エンジニア:一般的なマニュアル車のエンジンがモーターに置き換わっただけです。クラッチもミッションも付いています。今までエンジンで作り出されていた回転が、モーターによって作られているということです。



――内装を見るとロールバーが取り付けられていて、シートもフルバケットシートになっています。「AE86 BEV Concept」はスポーツ色をより強めたクルマに仕上がっているのでしょうか?



エンジニア:ロールバーに関しては、EV化するために中古で仕入れてきた個体に元々ついていたものです。内装もなく、いわゆる「ドンガラ」のクルマでした。AE86は見てカッコいいというクルマでもありますから、タイヤもホイールも、皆さんがよくご存知のアニメで装着しているものになっています。さらに、今回の「AE86 BEV Concept」は通常時よりも車高を下げてあります。


――バッテリーをトランクに搭載していますが、EVではなかったクルマにバッテリーを積むにあたって何か苦労した点はありますか?



エンジニア:最初からEVとして開発したクルマであれば、ボディをEV用に設計できるので、バッテリーは床下に搭載できます。しかしAE86は、当然ながらEV化を前提に開発したクルマではないので、床下にスペースがありません。そのため、トランクに置くしかありませんでした。



――バッテリーにレクサスのロゴがありますが、レクサスが採用している電動化技術を流用したのでしょうか。



エンジニア:このバッテリーユニットはレクサス「NX」で使っているものです。今回のAE86のEV化もレクサスの開発チームが担当しました。


「AE86 BEV Concept」からはトヨタ/レクサスのクルマに対するこだわりが感じられました。



トヨタ車などのサブスクを手掛けるKINTOでは、新「AE86」のレンタカーを展開しています。ユーザーからのフィードバックをもとに、AE86EV化事業の可能性を探っているそうです。



昔のクルマのEV化がトヨタ/レクサスのビジネスとして具体化すれば、たくさんの旧車ファンにとって朗報となるのは間違いなさそうです。(森藤幸士)

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