木嶋佳苗の名前を覚えているでしょうか?
彼女は2007年から2009年にかけて発生した『首都圏連続不審死事件』の犯人です。
窃盗罪や詐欺罪などで起訴されているばかりでなく、3人の夫を自殺に見せかけて殺害したことにより2017年5月に最高裁判所で死刑が確定。実際にはもっと多くの犠牲者がいるのではないかという疑惑も存在しています。
◆獄中で30kg痩せた木嶋佳苗が500円で有料note公開
この事件は婚活を利用して行われたことでも知られています。女体と結婚の二文字を武器に、男たちから次々と大金を巻き上げた挙句に殺害してきた「平成の毒婦」の異名を持つ木嶋佳苗死刑囚。逮捕された際にメディアに映し出されたその容姿は、決して眉目秀麗(びもくしゅうれい)な美女ではありませんでした。
どちらかと言えばふくよかで、地味系ともいえる顔立ち。男たちに対する立ち居振る舞いと見た目とのギャップが、この事件への興味関心をさらに沸き立たせたのではないかと思います。
そして現在、木嶋佳苗被告が逮捕されて14年の月日が経っています。世間一般の彼女へのイメージは、恐らく逮捕時のもったりとしたシルエットのままでしょう。
しかし!なんと彼女、獄中で痩せたらしいじゃありませんか!しかも、30kg?!え、マジでハンパない数字ですよね、これ。
その経緯や方法について、木嶋佳苗被告はnoteの有料記事にて公開を始めています。タイトルはずばり『東京拘置所ガイド〜30kg痩せた木嶋佳苗の獄中記〜』!第一回の金額は500円!
正直、私は普段から真剣に彼女の発信を追っているわけではありません。しかし、ダイエットの話となると話は別!何せ、筆者も15年前に半年で-35kgのダイエットを行って数年かけてリバウンドし、直近では2年前(当時43歳)にも半年で-20kgのダイエットをして今もゆるゆると体重が増加しつつある状況にあるからです!
ということで、私・もちづき千代子、木嶋佳苗被告のnoteをポチっと購入。何度減量しても何度でも元に戻ってしまう、恋愛カルマのようなリバウンドの抑止力となってくれることを願いながら記事を読み進めたのでした。
◆きっぱりと「こうすれば痩せられる」と言い切るダイエット指南
30キロ痩せることが、決して容易ではない行為であることなど、過去に同レベルの減量を行った私はよ〜く知っています。
けれど記事を読めばわかりますが、木嶋佳苗被告は確かにそこまで過酷なやり方で痩せたわけではないのです。そこまでストイックに運動をしたわけでもなければ、食事制限をしたわけでもありません。
簡単にまとめてしまえば、畳一枚程度のスペースでできるトレーニングと、とにかく水を飲むということ。そして参考資料的に拘置所内での献立表が添えられていました。
書かれているメソッドはひじょうに理にかなっています。なぜ、どうして、この結果がもたらされるのかも、しっかりとわかりやすく綴られています。
きっぱりと「こうすれば痩せられる」と言い切ってしまえる潔(いさぎよ)さもいいですね。無駄に分厚いく精神論>ばかりを振りかざすような、よくあるダイエット本を読むよりもはるかに実用的といえましょう。
本人もブログでの連載告知で「メソッドを重ねて5回目を迎える頃には、心が整い、顔から脚まで自然に引き締まり、お腹が凹み、ウエストがくびれ、縦に3本の線が出現するセルフケアです」と言ってます。
ただ、唯一にして最大の難関はきっと、「このメソッドを続ける」それだけなのです。わかってる、わかっちゃいるけど自分では続かないんだよ!私は思わずPCのキーボードに突っ伏してしまいました。
◆運動する自撮りの写真を毎朝SNSにアップしていても増加する体重…
私は私が自分に甘いことを誰よりも知っています。そうじゃなければ超過酷な-35kgダイエットの後にリバウンドして努力を無に返すなんて愚の骨頂には至りません。
そんな過去があるだけに、現在は毎朝のウォーキングとラジオ体操参加を欠かさずに続けているのです。そう、続けられているのです。それはなぜなのか?ずばり「強制力」を発動させているからなのです。
私はわりと見栄で生きている側面があるせいか、誰かの“監視”の視線があると、ある程度は準ずる努力ができるのです。朝の運動についてはSNSで公言した上で、毎朝自撮りの写真をアップしています。ここまで大っぴらにしてるくせに辞めたらカッコ悪いぞという「強制力」を働かせています。
だがしかし。それでも体重増加傾向が収まらないのは、人十倍くらい食べることが好きだから。そう、ここにどうしても強制力を働かせることができないのです!
私は飲みの場も好きですし、失くしては生きる意味などないくらい人生に於いて重要なもの。期間を区切ってトライすることはできても、こんな人間が半永久的に「強制力」を運動にも食欲にも発動させようなんて、土台無理な話なのです。
◆読みやすい文章で拘置所内での生活ぶりが興味深い
木嶋佳苗死刑囚は受刑者です。現在、彼女は好きなものを好きな時に自由に食べることはできません。食事は拘置所が決めたバランスの摂れたメニューです。
そう、ここにまず「他人が食事を決定している」という「強制力」が一つ行使されているんですよ!
自由が制限されている立場だからこそのダイエットへのイニシアティブがそこに存在している……これに気付いた瞬間、少なくとも今の自分には彼女のような劇的かつ健康的な痩せ方はできないだろうな、と遠くを見つめてしまいました。
とはいえ、彼女の提唱している運動法や水の摂取については、魅力的だと思います。これを朝のルーティンの中に組み込むだけでも何か変わりそうな気配はあります。
記事の構成はそこまで上手ではないものの、回りくどさのない文章なので読みやすく、現在置かれている状況や生活ぶりが非常に興味深く読ませる内容になっているので、気になる方は10月にはnote第二回(700円)も更新されていますし目を通してみてはいかがでしょうか。
<文/もちづき千代子>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama