キッチンとバスルームは毎日の生活に直結しているスペース。日々使う空間だからこそ、美しく機能的な環境にすることで、暮らしの質や満足度が大きく高まる。パナソニック ハウジングソリューションズが新型のキッチンとバスルームで目指したものは、「人と空間、どちらにも調和するデザイン」だ。キッチンとバスルームが単なる設備から、暮らしの中で中心的なデザイン要素になる。
今回のコンセプトの背景にあるのは、同社と長年パートナーシップを育んできたプロダクトデザイナー、深澤直人さんのプロダクトデザインに対する考え方だ。それは、「もの」は壁と人にそれぞれ吸収され整理されていくというもの。
例えば、電話は以前は固定電話として部屋の中に置かれていたが、今ではスマホとして人が持つものに変化している。このようにさまざまな「もの」が整理されていく中で、空間に残っているものは、一層の美しさが求められてくるというのだ。
○ワイドな“3口”IHコンロと、フラットなカウンター
パナソニック ハウジングソリューションズ 水廻りシステム事業部の窪井健司氏は、「キッチンやバスルームに必要不可欠なものは何かを見つめ直し、それらを美しい空間にぎゅっとまとめました。(一般的にリビングとキッチンは近いこともあり)キッチンを使っていないときも、生活の隣にはキッチンがあります。そこで今回、キッチンの役割を改めて問いただしました」と、リニューアルした新型キッチンについて語る。
「Panasonic KITCHEN」は、人の作業や動作を妨げないこと、そして使うときも使わないときも快適な時間を提供する――とした。
キッチンカウンターとIHコンロの段差を減らしてフラットに収まるようにしたほか、カウンターと扉のテクスチャーをリンクさせて、統一感を出した。段差が少ないフラットなカウンターは、配膳などの動作がスムーズでストレスを感じにくい。
システムキッチン本体は、足元が浮いているかのようなフロートデザインを採用。このフロートデザインは軽やかさを演出し、家全体を広く感じさせる。また、扉とカウンターを一体にし、キッチン自体をシンプルにまとめて空間の要素を減らした点にも注目。キッチンが設備として目立たないため、リビングの空間とスムーズにつながる印象を与えそうだ。
○天井も水栓も黒いバスルーム
新型のバスルームは天井も水栓も黒いデザイン。大きな面積を占める天井に黒を使うことで、より引き締まった空間になる。あわせて浴槽のエプロン(側面)をメタリックシルバーにすることで、モダンスタイルを演出できるようにした。
掃除性能が高い素材を使った「スゴピカ浴槽」や水栓も大きなポイント。シャワーヘッドは、水やお湯を浴びるだけでなく、掃除にも使える「ビームシャワー」も備えている。シャワーヘッドの先端から勢いよく水を出し、浴室の隅などを洗える機能だ。天井部はフラットラインLED照明となっており、一本線のような光で空間を演出する。
一本線のようなLEDライト。暖色と白色を切り替えられるほか、上位版には調光(明るさ調整)機能も付く|
○全体的にプライスダウン!
今回のリニューアルでは、製品名も「Panasonic KITCHEN」「Panasonic BATHROOM」に変更。SNSでの検索しやすさや、ブランドとしての分かりやすさも意識している。
キッチンはこれまで、「ラクシーナ」と「L-CLASS」だったものをリブランドし、「S-CLASS」と「L-CLASS」に。必要不可欠な機能をベースとして搭載し、キッチンの収納パーツ、お風呂のカウンターや鏡などは、希望に合わせて追加するオプションとすることによって、普及価格帯の製品を刷新している。
例えばキッチンの場合、「S-CLASS」の価格(エッセンシャルプラン)は、従来製品から約13%ダウンした118万5,400円〜。こだわりやプランニングの自由度が高い「L-CLASS」の価格(エッセンシャルプラン)は、従来比で約10%ダウンした140万8,200円〜となっている。
バスルームは、ベーシックな「Oflora」、照明を集約した手すりなどを含む別の入浴スタイルを提案する「BEVAS」、こだわりに応える「L-Class」の3プランを用意。価格(エッセンシャルプラン)は、「Oflora」が従来比約7%ダウンの115万8,000円〜、「BEVAS」が従来比約15%ダウンの122万円〜、「L-Class」が従来比約14%ダウンの169万円〜。
リビングや個室だけでなく、バスルームやキッチンといった日常生活の中心となるスペースも上質な空間へと仕上げることで、住まい全体が一段と格上げされる。機能美とデザインが調和した空間は、住む人の感性や暮らしそのものを洗練させるのではないだろうか。
伊森ちづる 家電・家電量販店ライター。家電量販店の取材や家電メーカーの取材、家電製品のレビューを中心に活動。売り手、メーカー、ユーザーという3つの視点で家電を多角的に見るのが得意。雑誌、ニュースサイト、ラジオ、シンクタンク、自治体での情報提供など、多方面で活躍中。最近は、テクノロジー×ヘルスケア、テクノロジー×教育などにも関心あり。趣味は音楽鑑賞(クラシック)とピクニック。 この著者の記事一覧はこちら(伊森ちづる)