トランプ氏、移民・麻薬対策で関税駆使=はらむ「貿易戦争」リスク

3

2024年11月27日 09:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

トランプ次期米大統領=13日、ワシントン(AFP時事)
 【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は25日、不法移民や麻薬の流入が止まるまで、中国、メキシコ、カナダに新たな関税を課すと表明した。看板政策の不法移民や麻薬対策で関税を駆使し、3カ国に対応を迫った格好だ。ただ、3カ国が報復関税で応じれば「貿易戦争」が再び勃発しかねない。

 トランプ氏はSNSへの投稿で、中国が原材料を生産している合成麻薬「フェンタニル」の流入がなくなるまで中国製品に10%の関税を上乗せすると表明。また、メキシコとカナダは麻薬と不法移民対策を怠っていると断じ、「大きな代償」として来年1月の就任日に25%の関税を課す大統領令に署名すると宣言した。

 トランプ氏は第1次政権時、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を締結。1〜9月の米国の輸入額は、メキシコ、中国、カナダからが上位を占め、輸入全体に占める割合は4割を超える。米メディアによると、メキシコ、カナダは輸出の約8割が米国向けだ。

 また、中国に対しては幅広い分野で制裁関税を発動。互いに関税をかけ合う事態となった。バイデン政権は対中関税の大半を引き継いだ。電気自動車(EV)などには上乗せしており、多くの品目に高関税がかかっている。

 トランプ氏は大統領選で、メキシコが不法移民や麻薬への対策を講じなければ25%の関税を課し、対策の成果が出るまで「50%、75%、そして100%」と引き上げていくと明言。中国には60%の追加関税を上乗せする考えを示しており、今後、さらに税率を上げる可能性がある。

 ただ、高関税は中国、メキシコ、カナダの経済に打撃になるだけでなく、米国内の物価上昇を通じて「米国民も負担することになる」(米シンクタンク)と指摘される。貿易戦争に発展すれば、米国内からの反発も招きかねない。 

このニュースに関するつぶやき

  • 日本は元々アヘンを麻薬とする習慣はない。日本は、清がアヘン戦争で負けたのを分析してアヘンを禁止、アメリカとは不平等でありながらもアヘンを持ち込まないという条約は結んでいました。
    • イイネ!3
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

前日のランキングへ

ニュース設定