前回からの続き。数年前に妻が亡くなり、俺は1人暮らしになった。寂しい生活が始まるかと思いきや、息子のセイイチ一家が近くに住んでくれたおかげで想像よりもずっと楽しい日々を過ごせている。孫のツトムはまだまだ小さくて可愛らしく、俺はよく一緒に外出もしている。ショッピングモールなんかにも連れて行ってあげているし、「いいおじいちゃん」をやれていると思う。妻がいない分も俺がおじいちゃんとして頑張らないといけないな、と。
しかし俺にはひとつだけ悩みがあった。それは、ツトムの遊んでいる時間がすごくストレスだということ。元々俺はわりとキッチリしている性格ということもあり、タイムスケジュールをしっかりしておきたいタイプ。自分の計画にない行動を入れられるとすごくイライラしてしまう。だからツトムが「遊びたーい!」とプレイゾーンに走り出すと、途端にガッカリしてしまうのだ。
近くにいたはずなのに俺には昔のセイイチがどんな様子だったのかはっきりとわからない。子どもの成長を見守ってきたつもりで子育ては妻に任せてしまっていたことを痛感した。目の前のツトムと、もう二度と会えない幼いころのセイイチが一瞬重なったような気がした。
たまにショッピングモールに連れて行ってやるだけで「自分はいいおじいちゃん」だなんて、俺はうぬぼれていた。
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ツトムが大きくなってしまう前に気づいて本当によかったと思っている。せっかく近くに住んでいるのだから、これからもかけがえのない瞬間をできるだけたくさん見つめていたいと思う。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・林檎りん 編集・塚田萌