陸上女子100メートル障害(ハードル)で今夏のパリオリンピック(五輪)代表の田中佑美(25=富士通)が27日、千葉・市川市内の筑波大付属聴覚特別支援学校小学部を訪れ、児童たちと交流した。「スポーツ立県ちば」の推進を目的とした「ちば夢チャレンジかなえ隊」の派遣事業として、陸上教室を開催。“佑美先生”として子どもたちと明るく接し「スポーツを介して、こうした出会いがあることはうれしい」と実感を込めた。
田中は小学生の前に立ち、手取り足取りで指導。目線を合わせたり、胸元の名札に書かれた名前を呼称するように努め、笑顔で児童に語りかけていた。
積極的に対話に努めたのは「初めて会うおとなと自分の言葉でコミュニケーションがとれたという成功体験をしてほしいという気持ちがあったから」と説明。「アスリートとして構えてほしくなくて。足の速い兄ちゃん、姉ちゃんが来たという記憶が残ってほしいな」と願った。
子どもたちからは「佑美先生!」とサインを求められたり、昼休みに囲まれたりする場面もあった。シーズン中にはなかなか得られない刺激を受けた様子で「ふさわしい振る舞いをしないといけない。競技はもちろん頑張ろうと思いますし、そういった面以外もしっかりしないと」と気を引き締めた。
今年は五輪に初出場し、準決勝に進出。来年9月の世界選手権東京大会では、さらなる活躍の期待がかかる。「世界の選手としっかり戦っている姿を見せられるようにしたい」と誓った。
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男子110メートル障害で同じ所属先の石川周平(29)も参加し、田中とともに会を盛り上げた。
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