【ファンの方々にも期待に応えることができない苦しい4年間でしたけど、球団に対しては感謝しかないです】
11月26日、楽天モバイルパークに集まった報道陣の取材に応じた田中将大投手(36、以下敬称略)。自身のYouTubeチャンネルで報告していた、東北楽天ゴールデンイーグルス退団の経緯と心境を改めて明かした。
2020年オフにニューヨークヤンキースをFAとなり、翌年1月に古巣の楽天と再契約。当時の日本人最高年俸9億円で迎えられると、2013年にチーム初の日本一に導いた大エースの凱旋にファンは大きな期待を寄せた。
ところが“古傷”の影響か、それとも30代半ばにさしかかった体力面の衰えなのか、渡米前の圧倒的な投球は鳴りを顰めて4年間で20勝どまり。額面通りの働きはできずに、今シーズンもわずか1試合の登板で終えている。
「昨秋に受けた右肘のクリーニング手術の影響でスタートこそ遅れたものの、シーズン内には日米通算200勝(残り3勝)を達成するものと見られました。ところが8月に二軍で実戦復帰して復調をアピールするも、Aクラス争い真っ只中だった一軍からお声はかからず。
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自分の思うところで投げさせてもらえたかったことに、首脳陣の采配や石井一久シニアディレクターらフロントに不満を抱き、そしてプライドを傷つけられたのかもしれない」
「素直には受け取れなかった」
パ・リーグ球団を取材するスポーツライターが危惧するように、冒頭の囲み取材では球団への感謝こそ述べるも、その石井SDとの話し合いに及ぶと、
【来季も戦力としてという言葉は一応いただきましたが、こちらとしては素直には受け取れなかった】
【金額で選択しているわけではないので、気持ちの部分でやりがいを素直に感じられなかった。受け取れなかった。】
田中が期待するような言葉はかけられなかったのだろう。不信感を隠すことはなかった。
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では来シーズン、楽天以外のNPB球団からのオファーを待つという田中だが、獲得に動く球団は現れるのだろうか。
「球速は落ちているとはいえ投球術は健在で、先発として5回、6回までは試合を壊さずに先発の役目を果たすと思います。それに本人も“お金ではない”と言っているように、ウン億円を要求することもないでしょう。
問題は、元メジャーリーガーのレジェンドに対してモノ言える監督、コーチがいるのかということ。調整や指導、起用法で気を使うでしょうし、若手投手がコーチよりも彼に心酔してしまう恐れもある。候補としてヤクルトが取りざたされていますが、メリットとデメリットの両方があるのでは?」
楽天から出された以上のオファーを蹴った
楽天退団をめぐる取材対応でも、田中のプライドの高さが垣間見える発言もあったようだ。
【そもそも21年イーグルスに戻ってくるタイミングの時に、イーグルスから出された以上のオファーを蹴って戻ってきているので、そこを思い出してほしい。とにかく期待かけてもらってやりがいを感じるところでやりたいのが一番です。】
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楽天入団当時、「他のメジャー球団から高額オファーがあった」とした上で、あえて「イーグルスを選んだ」と強調するような、“上から目線”とも捉えられる物言い。この“本質”もまた、彼がいう「居場所」をなくす一因だったのかもしれない。