チャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第5節が27日に行われ、リヴァプール(イングランド)とレアル・マドリード(スペイン)が対戦した。
“欧州最高峰”の舞台に相応しいビッグマッチの時間が訪れた。ここまで4試合を消化したリーグフェーズで唯一4戦全勝を記録し、前節終了時点で首位につけているリヴァプール。今夏にアルネ・スロット監督を招へいした同クラブは、所属するプレミアリーグでも首位を独走するなど好調を維持している。対するは、CL最多15度の優勝を誇るレアル・マドリード。カルロ・アンチェロッティ監督率いる“白い巨人”は、今季のCLで不安定な戦いを露呈しており、2勝2敗と中位に沈んでいる。そんな対称的な2クラブが『アンフィールド』で激突。リヴァプールのMF遠藤航はベンチスタートとなった。
試合は、立ち上がりの4分にリヴァプールが決定機を作り出す。レアル・マドリードがボールを握り、左サイド高くにポジションをとったキリアン・エムバペに展開。すると、背後からプレッシャーをかけたモハメド・サラーがボールを奪い、ダルウィン・ヌニェスへと繋いでカウンターに移行する。スピードに乗ったドリブルで中央を突破し、サラーとのワンツーでボックス内へと侵入。だが、ダイレクトで放ったシュートはGKに弾かれ、ラウール・アセンシオにクリアされた。
以降は緊張感のある状態が続くなか、23分に再びリヴァプールが決定機を創出。左サイドでパスを受けたアンドリュー・ロバートソンがクロスを入れるが、ボールは相手選手がブロック。こぼれ球がペナルティエリア手前に流れ、回収したライアン・フラーフェンベルフが浮き球で前線に繋ぐ。マーカーと体を入れ替えたカーティス・ジョーンズがゴールに迫り、混戦からヌニェスがワンタッチでシュート。しかし、至近距離から放たれたボールをGKティボー・クルトワが防いだ。
さらに、33分にはリヴァプールがポゼッションでレアル・マドリードを押し込み、左右に振って相手を揺さぶる。右サイド深くでパスを交換しながら、ボールを受けたルイス・ディアスが中央に運んでアレクシス・マック・アリスターにスイッチする。巧みなタッチで相手を剥がすと、ボックス右角から斜めにスプリントするヌニェスへとパス。柔らかい浮き球のパスを頭で合わせるが、シュートはわずかに枠の右へ外れた。
そんななか、52分にリヴァプールがスコアを動かす。左サイドでボールを持ったC・ジョーンズが中央にドリブル。ボックス正面のマック・アリスターへ横パスを出し、真横にサポートしたコナー・ブラッドリーへと繋ぎながらペナルティエリア内にスプリントする。ダイレクトでリターンが送られると、トラップからテンポ良く右足を一閃。グラウンダーのシュートはゴールに吸い込まれ、ホームチームが先制に成功した。
リードを許したレアル・マドリードだったが、直後の54分にアクシデントが発生。相手のドリブルに対応したエドゥアルド・カマヴィンガが、左足のハムストリングを痛めてピッチに倒れ込む。負傷者が続出中のレアル・マドリードだが、カマヴィンガもプレー続行不可能となり交代に。予期せぬ形で交代カードを切ることになった。
すると、59分に敵陣ボックス内でルーカス・バスケスがロバートソンと接触。右足を踏まれて転倒し、主審はPKを宣告する。キッカーを務めるのはエンバペ。しかし、ゴール右にシュートを狙ったが、GKクィービーン・ケレハーがコースを読み切りストップ。レアル・マドリードがビッグチャンスを逃してしまう。
次第にゲームがアップテンポとなるなか、69分にサラーが得意のドリブルで縦に勝負し、ボックス内で倒されPKを獲得。サラー自らキッカーを務め、左足で豪快にシュートを蹴り込む。しかし、ゴールの左を狙った一撃はポストに直撃。エンバペに続き、リヴァプールの“エース”サラーもPKを失敗した。
それでも76分、セットプレーからリヴァプールが大きな追加点を挙げる。右サイドでコーナーキックを得ると、キッカーを務めたロバートソンが短くリスタート。C・ジョーンズの折り返しからダイレクトでクロスを送り、途中出場のコーディ・ガクポが頭で反応する。フリーで合わせたヘディングがネットを揺らし、リードを2点に広げた。
結局、そのまま試合は2−0で終了。勝利したリヴァプールがCL全勝をキープした。なお、ベンチスタートの遠藤に出番は訪れなかった。次節は来月10日に行われ、リヴァプールはアウェイでジローナ(スペイン)と対戦。レアル・マドリードはアウェイでアタランタ(イタリア)と対戦する。
【スコア】
リヴァプール 2−0 レアル・マドリード
【得点者】
1−0 52分 アレクシス・マック・アリスター(リヴァプール)
2−0 76分 コーディ・ガクポ(リヴァプール)