● このパトカー、とんでもなく速そうです……。ベース車両がベース車両ですから、考えてみれば当然ですね。さて、このパトカーの正体は?
ヒント:日本を代表するスポーツカーです
フロントグリルに金色に輝く警察章(旭日章)の下には、車名のバッジと「相模88」のナンバープレートが! ボディは4ドアモデルになっています。
――正解は次のページで!● ○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】R33型スカイラインGT-R 4ドアパトカー
答えは神奈川県警第二交通機動隊に所属する1998年式「R33型GT-R」のパトカーでした。
ベースモデルとなったのは、スカイライン誕生40周年を記念してリリースされた「スカイラインGT-R オーテックバージョン40th ANNIVERSARY」です。2ドアのBCNR33型GT-Rに4ドアボディを換装したスペシャルモデルでした。
GT-Rパトカーのエクステリアは、覆面パトカーによく使われるオートカバーの前面警光灯と、高速走行中に虫や飛散物からフロントガラスを守る透明なバグガード(今では法規上、取り付けができなくなりました)がボンネット上に取り付けられていて迫力満点。迫力といえば、2ドアのブリスターフェンダーを4ドアモデルにも装着するため、後ろのドアとフェンダー部分が新たに設計した専用品となっています。
太い245/45ZR17サイズのダンロップ「ル・マンV」タイヤを取り付けたホイールの奥には、ベンチレーテッドディスクブレーキに装着した「Brembo」製キャリパーが控えめにのぞいています。ハイスピードでの走行を支える強力なストッピングパワーを発揮するパーツです。
インテリアは登場から26年目であるにも関わらず状態良好。前後バケットシートの4人乗りで、180km/hスケールのスピードメーターと10,000rpmまで刻まれたタコメーター、ダッシュボード上に移設した3連メーター(フロントトルク、油温、ブースト圧を表示)などが高性能モデルであることを主張しています。ダッシュセンターや助手席前には、無線機やマイク、サイレン、ストップメーターなど警察車両らしい装備がびっしり。
導入当時、神奈川県警のパトカーとしては2ドアのGT-Rやトヨタ自動車「ソアラ・ツインカムターボ」があったようですが、やはりパトカーとして2ドアモデルは使い勝手が悪く、4ドアのこのモデルが重宝されたとのことです。後席も2座の深いバケットタイプになっていて、1度は座ってみたい気もしますが、取り締まりを受けてここに座るのはやはり遠慮したいところ。バックミラーに赤色灯がついたこのパトカーの顔が映ったら絶対に逃げきれないので、すぐに停車してください!
それでは、次回をお楽しみに!
原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)