セクシー女優は、身体が資本です。ボディラインやスタイルの話だけではなく、長時間の撮影を頑張りぬく体力や健康面も大切になります。
しかしセクシー女優も人間ですから、当然病気になるケースも。小梅えなさん(24歳・@koume_ena)は、セクシー女優としてのお仕事を「メニエール病」と「鉄欠乏性貧血」の治療のため、お休みした経験を持ちます。
メニエール病は激しいめまいや難聴、耳鳴りを繰り返す難病です。セクシー女優にとって、休業はかなり大きな決断。そんな体験を実際にした小梅さんに、当時の状況や心の動きについて語ってもらいました。
◆体調不良が出てから1年近く我慢
――2024年4月1日から8月1日まで、病気療養のためにセクシー女優としての活動をお休みすることをSNSで発表しました。
小梅えな(以下、小梅):はい。お休みするときは不安でしたが、こうやって無事に復帰できて安心しています。
――最初に体調の悪さを感じたのは、いつ頃ですか?
小梅:2022年のはじめくらい、2月とか3月とかですね。でも実際に病院に行ったのは、年が明けて2023年になってからなんです。
――え、なんで1年近くも病院に行かなかったんですか?
小梅:ちょっとスポコン気質みたいなところがあるんです。「体調が悪いのは、私の気持ちの問題だ」とか、筋トレをその時期休んでいたので「体力がないからだ」みたいに考えちゃうんですね。もともと気圧に弱くて、耳鳴りとか頭痛とかがすることはあったんです。だからあまり気にしていなかったんですが、だんだん体調不良がひどくなってきて、気持ち悪さや吐き気やめまいがするようになって、朝も起き上がれなくなってしまいました。
――それがメニエール病の症状だったんですね。撮影は朝早いですから、それはツラいですね。
小梅:家の下までマネージャーさんに迎えに来てもらって。とにかく車まで行けばなんとかなる、と思って、這うような気持ちで行きました。
◆体調不良の原因がわからず病院を転々と
――朝だけでなく、昼間も体調不良は続いたんですよね。撮影自体もツラかったのでは?
小梅:はい。市販の薬で症状を抑えたり、休憩を多めに取ってもらったりして、ごまかしながらやっていた部分はあります。すぐに病院に行けば良かったんでしょうけど、そんなにたいしたことはないと思っていて、我慢しちゃいました。
――2023年初頭に病院に行って、でも「メニエール病」と「鉄欠乏性貧血」の診断が出たのが2024年になってから。ここでも1年近く経ってしまっています。
小梅:なかなか体調不良の原因がわからなくて、病院を転々としました。内科や耳鼻科、脳外科など、いろいろ診てもらったんですけど「問題ありませんね」と言われ続けてしまって。「やっぱり、私の気持ちの問題なのかな」と思い始めたときに、事務所のマネージャーさんが知り合いに耳鼻科でメニエール病に詳しい人がいる、とのことで「もしかしてメニエール病かも」と教えてくれたんです。そこに行ってみたら「可能性が高いですね」と。
◆「メニエール病」と「鉄欠乏性貧血」が判明するまで
――なかなか体調不良の原因がわからなくて病院を転々とする、というのはよく聞く話ではありますよね。
小梅:それから私の場合、もともと貧血があるんですけど、年々悪くなっていて。内科で診てもらったときに「たぶんメニエール病以外に、貧血もありますね」と言われて「鉄欠乏性貧血」の診断を受けました。
――鉄欠乏性貧血とは?
小梅:これは親からの遺伝なんですが、血液を作るための鉄分を食事やサプリから補うのが難しい体質なんです。検査を受けたら「血液の量が一般的な人よりだいぶ少ない」って言われました。「ケガで血が多めに出ちゃったら、もう助からないってレベルだ」って。
――そんなこともあるんですね。でも2022年、2023年と出演本数自体は30本以上じゃないですか。だからそこまで体調が悪いとは、ここで聞くまで想像していませんでした。
小梅:本当にマネージャーさんや、現場のスタッフさんの支えがあって、なんとか出演していましたね。
◆4か月の休業中は、ずっと不安でいっぱい
――体調不良の原因が、メニエール病と鉄欠乏性貧血だと判明してから、4月から8月まで4か月のお休みを決めたわけですね。
小梅:マネージャーさんと相談して、このままだとやっぱり迷惑をかけてしまうから、1回治療に専念しよう、と。
――4か月のお休みは、病気の治療のためとは言っても、不安になりませんでした?
小梅:すっごく不安でした!「私はこの先、どうなっちゃうんだろう」って思いました。貧血は鉄分をしっかり取って、薬を飲めばなんとかなるんですけど、メニエール病は良くなって復帰してからも、お仕事をもらえるのか、撮ってもらえるのかがすごく不安で。
――大変な病気ですから、治ったとしてもオファーは控えておこう、と考えられてしまう可能性もありますからね。
小梅:もしそうなったらどうしようって気持ち。それとは別に、8月に台湾のお仕事のオファーをいただいていて。
◆治療費、薬代で毎月何万円もの出費が
――台湾の大きなイベント「TRE2024」ですね。
小梅:お休みを決める前にお声がけいただいたんですが、断ろうかと悩んだんです。本当にありがたいお話なんですけど……。やっぱり体調が不安だし、ほかにも女優さんがたくさんいるなかで、ご迷惑をおかけしちゃうんじゃないかって。でもやっぱりすごく大きいお仕事だから、そこまでに体調を良くするのを目標にしようって決めたんです。
――無事に出演できて良かったですね。
小梅:ちゃんと8月に復帰できるかも不安点でしたね。あと治療費もけっこうかかってしまって……。それまでの貯金でなんとか賄ったんですけど、保険が適用されても薬が毎月1万円以上。原因がわかるまではいろいろ検査を受けて、その費用も1回数万円とかでしたし。
――セクシー女優はお仕事できなければ無収入ですから、貯金が減っていくのは不安になりますよね。
小梅:本当にそれです! ある程度は貯金しておいてよかったって思いました。まさか病気の治療で使っちゃうなんて、思ってもなかったですけど(笑)。
◆病気になったことが「いい経験に」
――休業中は家で安静にしている感じですか。
小梅:ほとんど家で寝ている状態ですね。とくに最初は本当に動けなくて、ずっとベッドで壁や携帯とお友達になってました(笑)。でも体調が悪い方、動けない方の気持ちが痛いほどわかったのは良い経験だったと思っています。「動けないってこんなに寂しいんだ、不安になるんだ」って。
――貧血は体質もあるとのことでしたが、メニエール病になった理由は自分ではどう考えていますか? 調べてみたところ、ストレスや過労、睡眠不足が原因、とのことですが。
小梅:心配性なところがあるので、不安になると考え過ぎちゃうんです。それがストレスになったのかな、とは思っていますね。あと睡眠不足です。私、あまり眠れないタイプだったんですよ。2〜3時間眠れたら良いほうで、撮影前だと眠れなくてそのまま現場へ行く、なんてこともあるくらい。
――2〜3時間はさすがに少ないですよ。ストレスと睡眠不足がかなり大きな原因っぽいですね。
小梅:今は眠くなくても無理やり目を閉じて、睡眠導入音楽を聴くようにしています。やっと6時間くらいは眠れるようになりました。睡眠の質も上がっていると思います。
◆もうほとんど病気は改善した今後
――じゃあ、今はメニエール病も鉄欠乏性貧血も、ほぼ改善しているって状態ですか。
小梅:はい。もうメニエール病の薬は飲んでいませんし、貧血の薬もだいぶ量を減らして、気になったときに飲むくらいです。もう完全体になりました(笑)。
――小梅さんはデビューが2019年ですよね。2022年頃なら、仕事的に軌道に乗ってもっと活躍するタイミングだったはずです。ちょっと病気で遅くなっちゃいましたけど、これからが活躍の時期になりますね。
小梅:はい、遅れた分を挽回して、これからもっと頑張ります!
<取材・文/蒼樹リュウスケ 撮影/スギゾー>
【小梅えな】
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【蒼樹リュウスケ】
大学在学中に成人誌出版社で編集のアルバイトを始め、そのままアダルト業界に定住。大手AVメーカーの雑誌編集部を経て、フリーライターとして独立。好きなことを書きたいと思った結果、アダルトならなんでもありな文章を書きまくる生活を送っている