「俺、無精子症だから」と避妊してくれない彼。生理が来ないことを告げると“まさかの反応”

　マッチングアプリでの出会いでは、相手が口にする情報をどこまで信じていいのか不安になることもあります。

　若林春奈さん（仮名・32歳）は生理不順になったことを機に彼がついていた許せない嘘を知り、激怒。同じ被害者が出ないようにと、取材に応じてくれました。

◆グイグイ系の肉食男子とマッチングして……

　春奈さんは、マッチングアプリを通じて2歳下の優吾さん（仮名）と出会いました。優吾さんは、THE肉食系。

　マッチング直後から春奈さんに「一目惚れしました。一度でいいので会ってほしいです」や「隣を歩けるだけで幸せかもしれない……（笑）」など、甘い言葉を送ってきました。

「30歳を過ぎると、そんな風にもてはやされることって減っていきますよね。だから、私も舞い上がっちゃって。こんなに私のことを好きになってくれる人っているんだ……と、その気になってしまいました」

◆何もかもがスピーディーな交際だった

　マッチングしてから3日後、2人は初デート。その日のうちに優吾さんから告白をされ、交際がスタートしました。

「今振り返れば、何もかも早かったんですよね。2回目のデートでキスをされ、3回目のデートではホテルに誘われました」

　戸惑う気持ちはあったものの、28歳以降、彼氏がいなかった春奈さんは「30代の恋愛は、こういうスピード感なのかも」と受け入れてしまったのです。

◆セックス時に「無精子症」と打ち明けられた

　優吾さんは性欲が強いタイプ。デート後は、必ずホテルへ誘われました。正直、春奈さんは行きたくない時もありましたが、彼の気持ちが離れてしまうことが怖くて、断ることができませんでした。

　春奈さんの押しに弱い性格を見抜いたのか、やがて優吾さんはセックス時にコンドームをつけることを嫌がるように。さすがに不安になり、春奈さんは拒否したものの、優吾さんは「俺、実は無精子症なんだよね。だから、妊娠させることはないよ」と粘ってきました。

「そう聞いても性感染症などが不安になりましたが、やっぱり私は押しに負けてしまって……。結局、彼とはそれからも3回ほどゴムなしでセックスしました」

◆「無精子症」と言っていた彼の悪質な嘘が発覚！

　ところが、その後、春奈さんは1ヶ月間生理が来ず、不安な気持ちになったそう。そこで、婦人科に行く前に優吾さんに相談をしました。

　すると、優吾さんは「まさか、妊娠してないよね……？」と動揺。無精子症なら心配する必要がないのに……と、不思議に思った春奈さんは疑問をぶつけました。

「そしたら、彼は『無精子症じゃないかもしれない』と言い出したんです！ 自分の精液を触った時、ネバネバしていないから繁殖能力がないんじゃないかと思ったんだと、苦しい言い訳をしてきました」

◆嘘がバレたとたんに逃げ出した彼

　まさかの事実を知った春奈さんは激怒し、すぐに婦人科へ。幸い妊娠はしておらず、生理不順であったものの、自分を騙した優吾さんへの怒りは収まりませんでした。

「本気で訴えようかと思いました。でも、彼が無精子症だと言ったことを証明できないので泣く泣く諦めたんです」

　なお、優吾さんは無精子症ではないとバレた途端、春奈さんのLINEをブロック。自宅は知らず、電話も拒否されているため、連絡を取ることができなくなりました。

◆マッチングアプリには危険が潜んでいることを忘れずに

「これが彼の手口なのかもしれません。もしかしたら、聞いていた名前も嘘だったのかも。身分証も見せてもらうべきでした……。

　私にも落ち度はありましたが、同じ目に合わないよう、婚活中の女性には気を付けてほしいです」

　自分の身を守るには、どんな危険がマッチングアプリにあるのかを知っておくことも大切。春奈さんの経験談を聞くと、身が引き締まる思いがします。
＜取材・文／古川諭香＞

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter：@yunc24291