ヨーカ堂、１次入札締め切り＝売却先選定に着手―セブン＆アイ

　セブン＆アイ・ホールディングス傘下のスーパー、イトーヨーカ堂などを束ねる中間持ち株会社の一部株式の売却先を選定するための１次入札が２８日、期限を迎えた。応札状況は明らかにされないが、複数社が応募したとみられる。セブン＆アイは保有株の半数以上を２０２６年２月までに売却し、グループから切り離す方針だ。

　中間持ち株会社ヨーク・ホールディングスは１０月に設立。祖業のヨーカ堂のほか、雑貨店ロフトやベビー用品店の赤ちゃん本舗など３１社を統括する。ヨーク・ホールディングスには、首都圏でスーパー「サミット」を展開する住友商事や、海外投資ファンドなど複数の企業が資本参加を検討。セブン＆アイは、出資を希望する企業の提案を精査し、選定作業を進める。

　セブン＆アイには、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールが７兆円規模の買収を提案。対抗策としてセブン＆アイの創業家を中心とした経営陣による自社買収（ＭＢＯ）が検討されている。セブン＆アイは、ヨーク・ホールディングスの一部株式譲渡によりコンビニ事業に集中して企業価値を高め、アリマンタシォンの買収を回避する狙いがあるとみられる。