横浜アリーナで日本体育大が26日に開催した第61回体育研究発表実演会に密着した。伝統種目の「集団行動」では1万人以上の観客が見守る中、一糸乱れぬパフォーマンスを披露した。
【写真を見る】歩く芸術、日体大伝統「集団行動」一発勝負に賭ける68人の青春ドラマに密着「4方向からの連続交差」に成功
50年以上の歴史を誇る伝統のパフォーマンス「集団行動」。注目度は世界レベルで、2021年に開催された東京オリンピック™の開会式では、渋谷のスクランブル交差点で「交差」するという、まさに集団行動でしかできない演出で魅了した。
今回、「集団行動」に挑んだのは総勢68人。その魅力についてメンバーは、「歩きという誰でもできることで人を感動させることができる」(女性メンバー)。「人に見せるということの魅力に気づけた」(男子メンバー)と語る。
年に一度の大舞台の本番前日。指導する大海二朗監督からは「休憩しよう、もう何回やっても一緒だよ、やらないほうがいい」と厳しい一言が。ゲキを飛ばす監督に、プレッシャーで浮足立つメンバーたち。しかし、メンバーはすぐさまスマートフォンで練習映像を見ながらミスを話し合い、修正を開始。そんなメンバーたちを見て監督は「やるしかないんだから。その覚悟がない、一発で決めてやるって、どれだけの人間が思っているか、どれだけの人間が皆のことを信頼している?できるんだから自信持って」と鼓舞した。
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迎えた本番当日、会場には1万人以上の観客が詰めかけた。4か月に及んだ練習の成果を見せる時が迫った。「覚悟は決まってますよ、やるしかないので」(男子メンバー)。
求められるのは一糸乱れぬ完璧な演技だ。本番が始まると、まずは十字に回転する風車をイメージした技を披露。そして名物「交差」、左右に分かれた4列のブロックが真正面から一気に交差、一人もぶつかることなくすり抜けた。さらに難易度は上がり左右に交差しながら前進する「ジグザグ歩行」を決めると大歓声が上がる。そして「後ろ歩行」ブロックが後ろ向きに交差すると観客が手拍子で盛り上げる。最後は今回の目玉、最も難しい「4方向からの連続交差」。四方から4つのブロックが、中央に向かって交差、見事に成功させた。
最後までやりきったメンバーたちは退場後、抱き合い大粒の涙をこぼした。大海監督が「歩けたな。良かったな」と話せば、女子メンバーは「合わないと思って不安でしたけど 楽しかったです」。男子メンバーも「120点ですね、歴代の指揮者たちの足元には及べたのかなと」話し、感慨に浸った。
※写真は風車をイメージした技
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