ドン・キホーテが2024年4月に発売した、肩にフィットしてずれにくいリュック「肩ピタ」シリーズが好調だ。担当者によると3月に先行発売した「拡張機能付きタイプ」(Mサイズ:9889円、Lサイズ:1万989円)と「キャリーケースタイプ」(1万989円)の3種類は、ドンキで一番売れている(売上金額)リュックだという。
肩ピタリュック開発のきっかけは社員の声だった。開発担当者が社員に、既存のリュックに対する悩みを聞いたところ「歩いているとずれ落ちる」という声が多数を占めたという。「これは体形に関係なく、リュックに共通する悩みではないかと考えました」(開発担当者)
リュックをずれにくくするには、どうすればいいのか。ヒントは、カバンメーカーの展示会で目にしたランドセルだった。ランドセルには、本体と肩ベルトをつなぐ「背カン」というパーツが使われている。この背カンが肩幅を調整し、体形に合わせる役割を果たしているのだ。
1年生の小さい肩にも、6年生の成長した肩にも合わせられるランドセル。この仕組みを応用すれば、大人向けのずれにくいリュックができるのではないか。その場ですぐメーカーに相談し、開発に着手したという。
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肩ピタリュックは、背カンによりショルダーが左右に動くことでそれぞれの体形にフィットし、「ずれにくさ」を実現している。開発時に一番苦労したのは、リュック本体とショルダーをつなぐ背カンがスムーズに動くこと、強度と耐久性を両立させることだったそうだ。ずれにくさだけでなく、背負った時のフィット感を良くするため、ショルダー部分の形状と素材にもこだわったという。
●肩ピタリュックがシリーズ化
肩ピタリュックの大ヒットを受けて、8月に「肩ピタショルダー ボストンバッグ」(7689円)、「肩ピタショルダー ショルダーバッグ」(5489円)、「肩ピタショルダー 大型ボディバッグ」(4389円)、「肩ピタショルダー ボディバッグ」(3289円)の4種類を追加した。ショルダータイプを追加した理由について、開発担当者は「リュックだけでなくショルダーバッグやボディーバッグにも肩からずれ落ちる問題があることに気付いたため」と説明する。
ショルダータイプをずれ落ちにくくするため、工夫したのが肩パッドだ。肩パッドの裏に東レが開発した防滑性が高いメッシュ素材「MILCOT(ミルコット)」を使用。これにより、走ったり荷物を出し入れしたりするときもずれにくくなったという。
10月には「肩ピタ カジュアルベーシックリュック」(8799円)、「肩ピタ ビジカジスマートリュック」(9899円)の2種類を新たに追加した。3月に先行発売した3種類のリュックはカラー展開がブラックのみ、かつサイズも大型だったため、どちらかというと男性よりの商品だった。リュックが肩からずれ落ちるという悩みは男女関係なく、小型モデルを出すことで、女性や小柄な人も手に取りやすいようにした。また、ビジカジスマートリュックはグレーとネイビーを追加し、カラーバリエーションを拡充した。
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ドンキのかばんカテゴリーにおいて、新しい人気商品となった肩ピタシリーズ。現在は全9種類を展開している。今後の展開について、開発担当者は「肩ピタリュックはもともとランドセルから生まれた商品です。子ども向けなど含め幅広いターゲットや、さまざまなシーンに対応できる商品も増やしていきたいです」と意気込んだ。
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