ヨーロッパリーグ(EL)・リーグフェーズ第5節が28日に行われ、レアル・ソシエダ(スペイン)とアヤックス(オランダ)が対戦した。
今季、ラ・リーガではここまで5勝3分6敗となかなか調子の上がってこないレアル・ソシエダ。それはELの戦いも同様で、ここまで行われた4試合で1勝1分2敗と苦しんでおり、リーグフェーズ敗退の危機も生じている。
リーグフェーズ後半戦のスタートとなる第5節では、ここまでのELで3勝1分無敗と好成績を残すアヤックスをホームに迎える。レアル・ソシエダは直近のラ・リーガ第14節アスレティック・ビルバオ戦(●0−1)からスターティングメンバー4名を変更したが、久保建英は引き続き先発に名を連ねた。
この試合最初のチャンスを作ったのはアヤックス。5分、カウンターの局面でジョーダン・ヘンダーソンが顔を上げ、背後のスペースめがけてスルーパスを通すと、抜け出したチュバ・アクポムが左足でフィニッシュまで持ち込んだが、ここは仕留めきれない。
続く10分には、アヤックスがレアル・ソシエダのビルドアップに狙いを定め、ルカ・スチッチからのバックパスをキアン・フィツ・ジムがインターセプト。自らボックスまで持ち込み、シュートを放つと、ここは相手にブロックされたものの、セカンドボールにブライアン・ブロビーが反応。角度のないところから右足で狙うも、シュートはニアポストに嫌われた。
主導権を握るアヤックスは34分、ブロビーが頭部の負傷により途中交代を強いられるアクシデントも起こったが、交代で入ったクリスチャン・ラスムッセンは、35分にはナイフ・アゲルドのパスを奪って決定機を作り出す。一方で、レアル・ソシエダはなかなか決定機らしいシーンを作れず、前半はアヤックスペースのまま終了した。
後半に入ると、58分には久保に見せ場が到来。敵陣右サイドで相手のパスを奪うと、自ら仕掛けてカットインから左足を振り抜く。ここはGKレンコ・パスフィールにストップされる。対するアヤックスは60分、ペナルティエリア手前で顔を上げたフィツ・ジムが左足でグラウンダーのミドルシュートを放ったが、ここは右ポストに嫌われた。
徐々に両チーム得点の匂いを漂わせるなか、63分にはブライス・メンデスの蹴ったフリーキックからホン・アランブルがボレーシュートを沈めるも、ここはオフサイドで得点は認められない。それでも、直後の67分、アランブルとのパス交換で右サイドを攻略した久保が、ニアゾーン深い位置に侵入し、左足アウトサイドで素早いボールを折り返す。最後はファーサイドへ詰めていたアンデル・バレネチェアが押し込み、レアル・ソシエダが先制した。
この日の久保はアシストだけでは終わらない。85分、GKアレックス・レミロの蹴ったロングフィードが跳ね返されたこぼれ球を敵陣右サイドで回収すると、ここからドリブルをスタート。スピードを上げた背番号14は、相手4枚に囲まれながらも左足で狙い澄ました一撃を流し込む。レアル・ソシエダが勝利を決定づけた。久保個人としては、レアル・ソシエダ加入後、2度目の出場となるELで待望の初ゴール。ビジャレアル時代以来となる、自身2点目を挙げた。今季公式戦では4ゴール目となっている。
試合はこのままタイムアップ。レアル・ソシエダは難しい試合を強いられたが、久保の1ゴール1アシストもあり、ホームで今季のELで2勝目を手にした。
次節は12月12日に行われ、レアル・ソシエダはディナモ・キーウ(ウクライナ)と、アヤックスはラツィオ(イタリア)と、ともにホームで対戦する。
【スコア】
レアル・ソシエダ 2−0 アヤックス
【得点者】
1−0 67分 アンデル・バレネチェア(レアル・ソシエダ)
2−0 85分 久保建英(レアル・ソシエダ)