財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は29日、2025年度予算編成に向けた建議(意見書)をまとめた。コロナ禍を経て最大規模に膨張した予算を「速やかに平時化させる必要がある」と改めて要請。日本経済は物価と金利が上がる新たな局面に入ったとして、「経済再生と財政健全化の両立」が急務だと訴えた。
建議では冒頭「もはやコロナ禍ではない」と強調した。1956年に経済白書が「もはや戦後ではない」と宣言し、高度成長期の課題解決に踏み出す契機になったことになぞらえ、「新たなステージへ移行する中、歳出規模も巡航速度を見据えるべきだ」と指摘した。
日本経済はコロナ禍明けの需要回復で成長軌道に乗る一方、約30年ぶりの物価高に直面し、「金利のある世界」が到来した。25年度は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる財政健全化目標の節目に当たり、「不退転の覚悟で予算編成に臨む」よう求めた。