大学ラグビーの「早明戦」が第100回を迎える。関東大学対抗戦で4年ぶりの優勝を目指す明治大(明大)が29日、早稲田大(早大)との伝統の定期戦(12月1日午後2時、東京・国立競技場)の登録メンバー23人を発表した。
東京・八幡山グラウンドで調整を終え、それぞれが「100回」の重みをかみしめた。優勝の可能性を残す重要な一戦。SOには萩井耀司(1年=桐蔭学園)が抜てきされた。「やばいっす。本当に、やばいっす」。9月の青山学院大(青学大)戦以来となる司令塔での先発に、緊張感を漂わせた。
多くの重圧がかかることが予想されるが「僕はあまり気にしないようにしてます。考えすぎちゃうタイプなので。楽に受け取って」と伝統の100回目にも自然体を貫く。「考えすぎたら縮こまっちゃうんで。試合の時は本当に何も考えずに、自分のやりたいことだけ考えて。大きい舞台でもいつも通りできるんじゃないかな」とルーキーは笑顔を見せた。
一方、過去3度、その舞台を知る主将は重みを重々承知していた。NO8木戸大士郎(4年=常翔学園)は「NO8で、キャプテンで、100回目の早明戦。だいぶプレッシャーです」と吐露したが「100」は既に経験済みだ。
大阪・常翔学園3年時に全国高校ラグビー大会に出場。「僕は花園も100回だったので、恵まれている感じ」と振り返る。早明戦は1年時は敗れたが、続く2年時の22年に舞台が国立へ戻ってから2連勝中。「自分たちのできる準備はできた。まず勝つことだけ意識してやっていきたい」と誓った。
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現役時代、その舞台に立った神鳥裕之監督(50)も「緊張感が自然と高ぶる相手」と早大の力強さを肌で知っている。ミーティングでは100回の歴史を再確認。選手は、さほど重圧は感じていない様子と見受けられたが「結果や歴史として残る試合になる。将来、何十年後に、酒を飲む時に『100回目の早明戦、勝ったな』と言えるように。勝った方に名前を残せるような試合にしよう」と声をかけた。
競技を始めた中学生の時に見た「雪の早明戦」(87年)など思い出の試合も多い。「お互いのプライドとか、懸ける思いとか、ぶつかり合う。100回という回数を聞いて、改めて、すごみを感じる」。その長い歴史の中で「100回目に監督として関われることは光栄以外の何物でもない」とかみしめた。
現時点で、他チームの結果に左右されず優勝するには、早大戦で3トライ差、26点差以上で勝つ必要がある。「どういう条件で勝てば1位になるか理解している。優勝狙いでいく」としつつ「まずは早稲田に勝つことを最念頭に入れて戦いたい」と2日後の決戦を見据えた。
◆明大メンバー
<1>桧山蒼介(2年=尾道)
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<2>西野帆平(3年=東福岡)
<3>倉島昂大(4年=桐蔭学園)
<4>田島貫太郎(4年=東福岡)
<5>佐藤大地(4年=国学院栃木)
<6>最上太尊(3年=仙台育英)
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<7>福田大晟(4年=中部大春日丘)
<8>木戸大士郎(4年=常翔学園)
<9>柴田竜成(3年=秋田工)
<10>萩井耀司(1年=桐蔭学園)
<11>白井瑛人(1年=桐蔭学園)
<12>平翔太(3年=東福岡)
<13>秋浜悠太(4年=桐蔭学園)
<14>安田昂平(4年=御所実)
<15>金昂平(4年=大阪朝鮮高)
<16>金勇哲(4年==大阪朝鮮高)
<17>伊藤潤乃助(3年=常翔学園)
<18>山口匠(2年=流通経済大柏)
<19>物部耀大朗(2年=中部大春日丘)
<20>藤井達哉(2年=東福岡)
<21>登根大斗(4年=御所実)
<22>伊藤龍之介(2年=国学院栃木)
<23>海老沢琥珀(2年=報徳学園)
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