HRC渡辺康治社長、HRSスカラシップを獲得した佐藤凛太郎(主席)と新原光太郎(次席)、佐藤琢磨HRSプリンシパル 11月29日、ホンダレーシングスクール鈴鹿(HRS鈴鹿)は、2024年度HRS鈴鹿フォーミュラクラスのスカラシップ(奨学制度)最終選考会を実施。4名が選考会に臨み、佐藤凛太郎が首席、新原光太郎が次席でスカラシップ獲得者となったことが発表された。
F1をはじめとする2輪・4輪のモータースポーツを開催してきた鈴鹿サーキット。そんな鈴鹿サーキットでは技術のみならず精神的にも人間的にも世界のトップクラスとして通用するライダー・ドライバーの育成を目的として1992年に『鈴鹿サーキットレーシングスクールジュニア(現HRS鈴鹿モトクラス)』を開校。
翌1993年に次世代のドライバー育成機関『鈴鹿サーキットレーシングスクールカート(現HRS鈴鹿カートクラス)』、そして1995年に日本で唯一ともいえる本格的フォーミュラ・ドライバー育成を目的とした『鈴鹿サーキットレーシングスクールフォーミュラ(現HRS鈴鹿フォーミュラクラス)』を開講し、世界最高峰のMotoGP、F1をはじめ、国内最高峰のレースで活躍する数多くの選手を輩出してきた。
そして2022年、これまで以上にホンダの意思を入れ、国内外のトップドライバーを目指すライダー・ドライバーの育成を、スクールから実践まで一気通貫で指導できる体制へと強化する決意の表れとして、スクール名称をHRS鈴鹿へ名称をリニューアルした。HRS鈴鹿へのリニューアル3年目となった2024年、HRS鈴鹿フォーミュラクラス・アドバンスコースのカリキュラムにて優秀な成績を収め選抜された4名が選考会に臨むなか、HRS鈴鹿フォーミュラクラスのスカラシップは凛太郎と新原が獲得した。
主席となった凛太郎は、東京都出身の18歳。インディ500を2度制し、HRSではプリンシパルを務める元F1ドライバー佐藤琢磨の息子だ。レーシングカートでのキャリアを経て、2023年にHRSを初受講するがスカラシップ獲得はならず。2024年はHRS2度目の挑戦と並行し、PONOS RacingからFIA-F4に参戦し4輪レースデビューを飾ると、マカオで開催されたFIAフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップにTGM Grand Prixから参戦した。父・琢磨も1997年度SRSの主席スカラシップ獲得者であり、SRS/HRS史上初めて親子での主席獲得となった。
最終選考会を終えた凛太郎は「計測走行ではうまくタイムを出せず、セット走行では抜けるチャンスがあったにも関わらず、思ったところで抜けませんでした自分ではもっとやれることがあったと考えていますが、それでもスカラシップを獲得することができ、とてもうれしいです」とコメント。
「私はホンダを代表するドライバーになり、F1をはじめ、世界で活躍するのが夢です。私のこれからの活躍を見ていてください」
次席でスカラシップ獲得となった新原は兵庫県出身の19歳。レーシングカートを経て2024年はFIA-F4に参戦中であり、東京大学在学中という文武両道の一面も。2023年度もHRSスカラシップ選考会に臨んだがその際にはスカラシップは獲得ならず。2年目の2024年度で待望のスカラシップ獲得が叶ったかたちだ。
「最後のカリキュラムでは自分なりのパフォーマンスを全て出し切ることができたと思います。主席で修了するのがこの一年の目標でした。次席に終わってしまったので、悔しさ半分、スカラシップを獲得できてうれしさ半分です」と、新原。
「将来は首席である佐藤凛太郎君より次席である私の方が良い結果を残したいです。今回は負けましたが、これからは勝ちたいです」
凛太郎と新原はともに、ホンダのドライバー育成プログラム『ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)』の一員として、2025年度よりレースに参戦する予定だ。ふたりの今後の活躍にも注目が集まるに違いない。