フィギュアスケート男子で22年北京オリンピック(五輪)個人、団体銀メダルの鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)へ、父でコーチを務める正和氏(53)がエールを送った。
29日、拠点とする愛知・豊田市の中京大で練習を公開。練習後、囲み取材に応じた正和氏は優真の現状について「1つのエレメンツが調子悪いと、他まで引きずってしまうところがある」と指摘し、迷える愛息へ「失敗してでも思い切ってやってくれれば」と助言した。
前戦のグランプリ(GP)シリーズ第5戦フィンランド大会。フリーでは冒頭のフリップ失敗から立て直せず、ミスが相次いでシニア自己最低の159・12点を記録した。普段の試合直後は演技の良しあしにかかわらず、ねぎらいの言葉だけにとどめるが、この時は「迷いがある。『失敗するかも』っていう気持ちを『絶対にやってやる』っていう気持ちに切り替えないといけない」と厳しく直接指導した。
「彼も大人になりつつあるので、責任感や背負っている物も大きいと思う」とおもんぱかりつつも“こんなものじゃない”との思いがあるからこそのゲキだった。
一方で、メンタル面の成長も実感している。以前から正和氏が勧めてきた1人暮らしを、先月からスタート。「1人でご飯を食べて1人で休養を取って。自分で考えてやっていかないといけないというところで、自立というところは見て取れる」と認める。
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また、以前は練習会場までともに足を運んでいたが「1人で1時間前に来てアップを始めて練習に挑むようになった」。独り立ちした息子の姿に目を細めた。
2季連続出場となるグランプリ(GP)シリーズ2戦上位6人によるファイナル(フランス・グルノーブル)では初制覇を目指す。「点数とか比べるのはジャッジがやってくれるんで、俺としては、彼のできる技術を全て出し切ってほしい」と背中を押していた。【勝部晃多】
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