「本当に悩みました。自問自答する日々。常にどうしたらいいのか、自分にとって何がベストなのか。大変でしたが逆にいろいろ考えられた。ずっと悩んでいたのでようやく決まったというのもありますし、その分、相当な覚悟を持っています。緊張感も増しています」
11月29日、国内フリーエージェント(FA)権を行使して去就に注目が集まっていた阪神の大山悠輔内野手(29)が5年契約、総額17億円プラス出来高で阪神に残留することが決まった。球団OBは言う。
「事実上の終身契約と言えるでしょう。獲得を目指していた巨人は6年契約、総額30億円規模の条件を提示していたのですから、移籍した方が金銭的なメリットは大きかったはず。ただ、引退後も、阪神からは手厚い保証が確約されたと思われます。ドラフト1位ですしね」
大山は残留会見で“残留を決めた理由”についてこう語っていた。
「まずはやっぱり監督、コーチ、スタッフ、裏方の皆さん、そしてチームメートですね。もう1回優勝、日本一を一緒に達成したい。その気持ちが強かった。あとはファン感謝デーの時にスタンドで多くの方々が僕の赤いタオルを広げてくれて、嬉しかった。その赤いタオルをもっともっと増やしたいと思いました」
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だが、スポーツ紙記者はこう語る。
「大山選手はプロ1年目から、阪神の想定外の“ドラフト1位”として批判的に見られ続けて、どこか在阪マスコミや大山選手に絶えず批判的な一部の阪神ファンに対して快く思っていないところがあります。残留表明会見でも“自分の意図していない記事が出た”“いい意味でも、悪い意味でも凄い球団だなと改めて思った”“報道と実際のところが違っている部分は沢山あったので、自分の中ですごく悩んで、葛藤もありました”と一連の過熱報道に苦言を呈していました。
熱狂的な阪神ファンの中にはSNS上で、彼の実家の飲食店に“物騒な予告”を投稿するなど、常軌を逸した残念な言動も散見されていました。大山選手からしても“家族の身の危険”を案じての残留もどこかにあったかもしれませんね。今回の会見では、来年以降は在阪メディアや一部ファンから“距離を置く”姿勢を示したのかもしれません」
残留を報告した藤川球児監督(44)からは「嬉しい。一緒に頑張ろう!」と声をかけられたという。
「4番打者が抜ける最悪の事態は避けられましたが、球団は高額年俸で残留させたので、藤川新監督も彼が成績不振に陥ったとしても、しばらく使い続けなければならないでしょう。優勝を逃せば、また一部の苛烈な阪神ファンから“戦犯は大山”と言われかねません」(前出・球団OB)
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来季、大山選手の活躍なしには、阪神の日本一はないことだけは間違いなさそうだ。
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