ロッテ・友杉篤輝、125試合出場も「何もいいところがなかった」、「怪我なくできた。そこだけです」

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2024年11月30日 09:12  ベースボールキング

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ロッテ・友杉篤輝[撮影=岩下雄太]
 「何もいいところがなかったので悔しいシーズンでした。(良かった部分は)体力的には怪我なくできた。そこだけです」

 ロッテの友杉篤輝はプロ2年目の今季、日本人最多の125試合に出場したが、決して満足のできるシーズンを送れなかった。

 「まずは強く練習からしっかり振っているんですけど、試合の中でも100%以上の力で振って、昨年は全然四球が取れなかったので、出塁率を意識ながら、両方意識しながらやっています」と今季に向け、“強く振ること”、“出塁率を高めること”を掲げ、取り組んできた。

 規定打席に到達した4月14日に打率.381でリーグトップに浮上したが、当時「打率以上には良くはないと思います」と本人の中で納得のいく打撃ができていなかった。4月の後半に一時当たりが止まり、「やっぱり良くなかったので、すぐ落ちていきましたけど、なんとか少し良くなってきたかなと思います。タイミングの取り方だったり、少し重心が前にいっていたのを抑えながら、タイミングを取れている」と、5月に入り復調し、月間打率は.323(62−20)をマークした。

 特に5月14日のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけて15試合連続負けなしの期間、31日の阪神戦で1試合4安打、6月1日の阪神戦では1−2の9回二死二塁の第4打席、岩崎優が3ボール2ストライクから投じた6球目のインコースのストレートを振り抜きレフトオーバーの適時二塁打を放つなど、打率.300(50−15)と大きくチームの勝利に貢献した。

 この時期は左足をあげたり、追い込まれてからすり足気味にしたりと、投手によってタイミングの取り方を変えているように見えた。

 「ピッチャーによってというか、自分の状態によって。僕は足を上げたほうがタイミングが取りやすいんですけど、上げることに反動が出て前に突っ込んだり、色々デメリットもあるので、ダメなところが出た時に少し修正しながら、修正できたら自分の取りやすいタイミングだったり、色々考えながらやっています」。

◆ 6月以降苦しむ

 6月に入るとパタリと当たりが止まり、6月の月間打率が.147、7月の月間打率が.163、8月も月間打率.183と苦しんだ。

 7月12日の取材で「タイミングの取り方だったり、バットの出し方をすごい今、色々試しながらやっています」と試行錯誤し、8月31日の取材でも「全然良くないですね。何が正解かわからないという感じです」と悩んでいた。

 なんとかこの状況を打破しようと、「ピッチャーに合わせて入っていけてるか、頭のブレであったり、バットの角度などを見ながらやっています」と映像を見て自分の打撃をチェックした。

 8月以降のZOZOマリンスタジアムでの試合前練習では、「軸で振るというか、長いバットは前に突っ込んだりしたら振れないので、しっかり軸でという練習の意味でやっています」と、下半身を使って打つイメージを持って長いバットでティー打撃を行っていた。

 またこの時期、今季まで打撃コーチを務めていた村田修一コーチ(来季からDeNAコーチ)とマンツーマンで指導を受けることが多かった。友杉は村田コーチから「振り下ろすイメージというか、バットの軌道を使い方みたいなことを練習で意識することを教わりました」とのこと。

 9月5日の楽天戦、0−0の2回二死三塁の第1打席、藤井聖が3ボール2ストライクから投じた7球目のストレートをレフト前に弾き返す適時打は、村田コーチから教わったことを意識したような打撃に見えた。

 「試合は考えないで行こうと思ってやっているんですけど、結果的にあのヒットだけは練習の形になっていたので、それはすごい良かったかなと思います」。

 復調の兆しを見せたかと思ったが、その後、再びあたりが止まり、9・10月は打率.097で、シーズンの打率は.206だった。

 友杉にシーズン終了後、今季徐々に打率が落ちた原因について訊くと、「アウトのなり方を変えようとして、ゴロアウトを増やそうと思ったんですけど、その取り組みが僕的にはあんまり上手くいかなかった。そうですね、フライアウトよりゴロアウトの方が大事なんですけど、1回ヒットを打たないことには始まらない。まずはしっかり捉えられるようにやっていきたい」と自己分析した。

◆ 重いバットに手応え

 バットも春先は左投手に対して85センチ・860グラムのオレンジのバット、右投手に対して85センチ・880グラムの白木のバットで打っていたが、8月に入ってから左投手に対しても「杉谷さんのバットを使わせてもらってやっています」とバットの重さは変わらないが、長さは少し短めの杉谷拳士さんモデルの白木のバットを使用。

 9月1日のソフトバンク戦では「バットを色々変えていたんですけど、自分の使おうと思って変えました。最近はずっとオレンジバットを使っていますね」と、右投手もオレンジのバットで打った。9月15日の西武戦では右投手に対して白木のバット、9月16日の西武戦では左投手に対しオレンジのバット、9月26日のオリックス戦では左投手に対し白木のバットと試行錯誤。

 シーズン終了後に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習で、バットについて訊くと、「今は最後使ってもらったやつでやっているので、最初(来年)は重さは900グラムのバットでいくと思います」と明かした。

 バットを重くした理由については「前に出されることが多いですし、スイングが遅くならないので。だったら強い打球がいくバットの方がいいと思うので、重いバットにしようかなと」と説明。

 「実感はあんまりわからないですけど、スイング自体は変わらないというか、むしろ早くなってきているので、バットが重くなっても重いと感じることなく振れているかなと思います」。

 重いバットでセンターから逆方向の打撃には「今はダウンスイングにしていた軌道を直そうと思ってやっているので、逆方向に打ったほうがしっかり後ろから入れるのでいい練習ができているなと思います。個人的には思っています」と手応え。

 11月3日に行われたライブBPでもライト方向に良いあたりを放った。「結構いい打球が飛ぶようになってきているので、良い感覚。ピッチャーに対して久しぶりに立ったんですけど、合わせてくれたので、良かったかなと思います」と笑顔を見せた。


◆ 広い守備範囲

 打撃では6月以降苦労した一方で、守備面ではシーズン通して、広い守備範囲でセンターへ抜けそうな打球を何度もアウトにした。

 「守備範囲は自信を持ってやっているので、範囲をさらに広げて、あとは確実に取れるところを全員が意識するところだと思うので、そこも合わせてやっていきたいです」。

 秋季練習では、「守備はショートとして一番大事だと思うので、毎日しっかりやっていきたいと思います。ゲッツーのスローイングの確実性、ランニングスローの確実性だったりというところをやっているので、うまく体の使い方を覚えながら正確性を上げていけたらと思います」と連日、全体練習後に根元俊一内野守備走塁コーチとマンツーマンでノックを受ける姿があった。

 その中でも、スローイング練習に力を入れていたが、「スローイングは今年から力を入れてやっているんですけど、今は結構バッティングも守備も右足の軸の足の使い方を言われるので、軸足の使い方を意識したらスローイングも良くなってきました」と効果を実感。

 右足を意識する理由について「根元コーチから守備に関しては、軸足じゃないかと言われるので、取り組んでやっています」と語った。

 来季は攻走守に今季以上の数字が求められるが、「今年は数字ばかり見て苦しくなったので、シーズン中見ちゃうと思うんですけど、来年は毎日毎日気にせずにやっていきたい。1年間の目標というよりは、1日1日しっかりやっていきたいと思います」と決意を述べた。
 
取材・文=岩下雄太

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  • 藤岡より撃てないのは致命傷。
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