大学受験シーズン 「お先にサクラサク」ってズルくない? 指定校推薦めぐり受験生ママの心にさざ波

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2024年12月01日 19:10  まいどなニュース

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うちの娘と同じ志望校だったのに…

高校3年生の一人娘を持つ埼玉県在住のYさん。娘さんの大学受験が迫る中、プレッシャーに耐える毎日は親としても一筋縄ではいきません。周囲のママ友たちとの会話ひとつが、意図せぬ火種になることも。

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「この時期、どんなに冷静でいようとしても、ストレスが積み重なると普段なら気にしないような一言に敏感に反応してしまうんです。私もつい余計なことを口走ってしまい、『あ、やばい』と思う瞬間がありました」

「日ごろの行いが悪いってこと?」

受験期になると、子どもたちだけでなく親もまた緊張感に包まれます。そんな中、娘さんの同級生のOさんが学校の指定校推薦をとったと耳にしました。

指定校推薦というのは、学校選考に選ばれた後は、大学で小論文や面接などの試験が行われるものの、筆記試験はなく、不合格になることもほぼありません。いわばもう合格を手に入れたようなものです。

確かにOさんは成績も優秀で、バトミントン部のキャプテンとしても活動していましたので、校内選考を勝ち取ったのは納得の結果でした。

しかし、我が子の合格がどうなるか不安な時期に指定校推薦の話はセンシティブなテーマです。Oさんが指定校推薦を勝ち取った大学は、もう1人のママ友・Sさんの娘さんの第一志望でもありました。Sさんの娘は、内申点が足りず、指定校推薦の校内選考にさえエントリーできませんでした。

Oさんの指定校推薦を聞いて落ち込んでいるSさん。「Oさんママって、いつもふんわり幸せがやってくるのよね、羨ましいわ」とSさんがいいました。そこにYさんは深い意味もなく「Oさんのママは、日ごろの行いが良いのだろうね〜」と返事してしまったそうです。

すると、Sさんの顔色が変わりました。「じゃあ、私は日ごろの行いが悪いってこと?」と、突然の逆切れです。Yさんとしてはそんなつもりはなかったのですが、Sさんにとっては軽く受け流せなかったようです。考えてみれば、Sさんも受験期のストレスで神経が張り詰めていたのかもしれません。Yさんは浅はかな発言を反省しました。

冷静なはずの私もブチ切れた!

Sさんとの一件があり、発言に気をつけるよう意識し始めたYさんでしたが、今度は自分が感情を抑えられない瞬間に直面します。

指定校推薦をとったOさんですが、実はYさんの娘さんと同じ国立大学を目指していました。夏休みも一緒に塾に通い、切磋琢磨してきたはずなのに…「Oさんは急に志望校を私立大学に変えて、指定校推薦を取るなんて。Oさんママも何も教えてくれなかった」。いつの間にそんなことを考えていたのか、内心裏切られたような、複雑な気持ちになっていました。

久々にOさんママと出会ったときのこと。受験のストレスから解放されて気持ちが軽くなっていたのか、Oさんのママは何気なくこんなセリフを投げかけてきました。

「大丈夫!Yさんの娘さんなら、第一志望に絶対合格するよ!!」

その言葉は純粋に励ましのつもりなのだとは分かっていましたが、まだ娘の成績も安定せず、このまま国立受験に突き進むか、目標を変えるべきなのか、進路が決まらない不安に押しつぶされそうな日々を過ごすYさんには重たく響きました。思わず「そんなこと、気安く言わないで!」と強く言い返してしまいました。

びっくりした顔のOさんのママ。その様子に我に返り、強い言葉で言い返してしまったことにYさん自身驚いてしまったそうです。

そんなOさんママですが、今度は、「大学に入ったら運動部に入らないと、就職に不利になるらしいわよ」「ゼミは何が人気なのかな?留学はどうしよう?Oはちゃんと考えてるのか心配だわ」などと言い出す始末。

まだうちの娘は受験すら終わっていないのに、もう就職の話!?と、正直心の中で突っ込まずにはいられませんでした。

 受験期…保護者たちのリアルなストレス

受験期の親たちは、常に見えないストレスと戦っています。どんなに表面を取り繕っても、内心では「合格するだろうか」「この方法で間違っていないだろうか」と自問自答を繰り返す日々。そして自分だけの頑張りではどうにもならない現実があります。

同級生の合格のニュースは、喜ばしいはずなのに、心の底からお祝いできない複雑な気持ちです。お互いに追い詰められた状況の中、少しでも心の余裕を持ちたいものです。結局のところ、ママ友同士の会話も、ストレスを軽減するための「気遣いの技術」が試される場なのかもしれませんね。

◇   ◇

受験生の保護者同士で受験に関しての失言エピソードはありますか?

▼40代・高校受験

ある時、塾の面談で一緒だった保護者の方が『うちの子、毎日0時すぎまで勉強してるから』と話していて、思わず『それってやらせ過ぎじゃないですか?』と口に出してしまいました。その瞬間、相手がピリッとした雰囲気になってしまい、後で考えると余計なことを言ってしまったと反省しました。

▼40代・高校受験

学校説明会の帰り道で、仲良しの保護者と話していた時、『この学校、うちの子にはすべり止めになるかな』と言ったら、相手の子がその学校を第一志望校にしていることを知らず、相手は苦笑い。後で気まずくて謝りたくても謝れず、モヤモヤが残ってしまいました。

▼50代・大学受験

ママ友に『息子さん、この学校いいんじゃない?校風がいいよね』と言ったらもっと上位の国立校を目指していたことを後々知った…沈黙が流れて、場が一気に冷え込んでしまいました。子どもの成績も知らずに、うかつに学校を勧めるべきじゃないなと思いました。

▼40代・高校受験

大学付属の高校の話をしている時に、私が「でも、A高校に行くと大学がA大学ってことになるもんね。もう少し上がいいよね」というと、話していたママ友の出身がA大学とわかり冷や汗。あとからフォローしましたが、きっとフォローになってないですね。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

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このニュースに関するつぶやき

  • 私が高校の時も指定校で一足早く進路決まる子はいたけど、みんな「おめでとう!」と祝福するのみだった。何言ってもトラブルの素になるならもう親同士は挨拶&天気の話くらいしかできん…
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